葬儀費用と相続について
葬儀費用は、相続開始後に生じた債務負担の問題であり、遺産とは別個の性質のものです。
したがって、一時的には祭祀主宰者(喪主)が負担します。
そのうえで、その支出金額や分担につき争いがあり、当事者間で遺産分割の対象とすることに合意した場合には遺産分割の対象としてよいとされています。しかし、相続人間で
意見の調整がつかないときには、遺産分割調停の対象から外し別途民事訴訟で解決することになります。
香典は、死者への弔意、遺族への慰め、葬儀費用など遺族の経済的負担の軽減等を目的とする祭祀主宰者や遺族への贈与と考えられますので遺産分割の対象とはなりません。
香典は、慣習上香典返しに充てられる部分を除いた残余につき葬儀費用に充てられます。
残余金が生じた場合には、祭祀主宰者に帰属すると解する見解と相続人に帰属するとの見解があります。私個人としては、今後の法事・法要などの負担もありますので祭祀主宰者若しくは祭祀承継者が残余を取得する見解でいいのではないかと考えます。
2012/10/16 11:00
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