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岡部 茂

マンション管理組合運営問題のプロ

岡部 茂 おかべ しげる

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事例・コラム

2022/01/27 00:00

分譲マンションの劣化診断と長期修繕計画について

分譲マンションの区分所有者が毎月マンションの管理組合に納めている修繕積立金は、将来の大規模修繕工事のための蓄えです。大規模修繕工事は長期修繕計画に沿って行われます。長期修繕計画は今後30年にわたるマンションの大規模修繕工事の費用と修繕周期を定め、修繕積立金が大規模修繕工事に見合うものであるかを比較検討するものです。工事費と修繕周期を定めるために必要なのが劣化診断で、劣化診断によってマンションの現状を知ることができます。

長期修繕計画は、どんなに緻密なものでも計画時の工法による費用しか算出できません。あくまで大規模修繕工事費用の概算です。30年の間に施工方法の変化などによって、どうしても実際の工事費用にはズレが生じます。大規模修繕工事を実際に行う際の施工時には、たとえ設計監理方式を採用して外部から建築士などのコンサルティングを受け複数の施工業者から見積もりを取ったとしても、同じ仕様書にもかかわらず2割、3割と差が出るのが実情です。そこで長期修繕計画は、国のガイドラインによって5年経ったら1年から2年をかけて見直すことが求められています。

長期修繕計画の見直しには財団法人マンション管理センターの様式に基づく方法、独立行政法人住宅金融支援機構から無料で提供されているソフトの使用などがあります。しかし、現実とかけ離れた長期修繕計画は無用な混乱を招きます。マンションの過去の修繕計画や実際の施工費を活用して工事費を算出したり、新たに施工業者から部位ごとの見積もりを取るなどして、個別のマンションの現状に合わせて長期修繕計画を見直すことが肝要です。適切な修繕積立金を徴収して、大規模修繕工事の費用を確保しましょう。

長期修繕計画はマンションの現状に合わせて見直しを


長期修繕計画は劣化診断によってマンションの現状を掴み、大規模修繕工事のための工事費用と修繕周期を定めて、修繕積立金が工事に見合ったものであるかどうかを比較検討するためのものです。長期にわたる計画のため、施工方法の変化などによる工事費のズレが生じるので、個別のマンションの現状に合わせた長期修繕計画の見直しが必要です。