2024/10/29 11:17
毎回、参加作品の中から基本的には各部門で金賞、銀賞、銅賞とそれに準ずる特別賞などが選出されますが、ファイナル審査へ残る作品(ヴァイオリン部門では十数人)がいわゆる入賞という位置付けとなります。また、製作と音響の審査がなされ合計点数で評価が行われますが、合計点数だけではなくそれぞれでどれくらいのポジションに到達したかということも単純に気になるところではあります。審査が終わると一堂に一般公開されます。これらの公開展示は、クレモナのヴァイオリン博物館で9月26日から 10月13 日まで開催されました。ちなみに、金賞を受賞した作品は買い上げとなり(ヴァイオリンとヴィオラが16,000ユーロ、チェロが26,000ユーロ、コントラバス28,000ユーロ)、自身の元に戻ることはなくヴァイオリン博物館にその栄誉を持って永続的に展示されることになります。
今回のコンクールでの受賞者は弊社WEBに詳細を紹介しています。https://virtuoso.co.jp/archives/16376
さて、審査を終えた楽器を一堂に集めた展覧会は、なんといってもその数に圧倒されてしまいます。400点以上の楽器が博物館特別室に並ぶ様相は圧巻です。ちなみに博物館ではクレモナの歴史を作ったアマティ、ストラディヴァリ、グァルネリなど超絶の名器を常設展示するほか、現代のクレモナの製作に影響を与えた近代名器とそして過去のトリエンナーレ金賞受賞楽器が展示されています。まさにこれらの楽器との対話がなされ、比して作品を見ることができるという世界唯一のコンクール作品展示会なのです。