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店舗設計の基礎知識、理想のお店を開業するためのポイントを専門家が解説!

2022/10/17

オーナーになり、自分の理想のお店を持ちたい――。そんな風に考えている人が、お店の開業や店舗づくりをする場合、まず始めに行わなければならないのが「店舗設計」です。そこで今回は、店舗設計の専門家である株式会社アポア代表の濵田 強さんに、お店を開業するための設計ポイントについて詳しくお聞きしました。

濵田 強

店舗作りのプロフェッショナル

濵田 強

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店舗設計を考えるうえで大切なことは?

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店舗を設計・施工するうえで最も大切なのは、「お店を繁盛させること」です。そこで当社では、はじめて店舗運営を行う人、すでに何軒もの店舗を手掛けている人など、さまざまなオーナーさんのご要望をお聞きしながら、立場や予算に応じて最も効率が良い店舗を造るように心がけています。

お店は繁盛してなんぼです。店舗デザインだけでなく、オーナーさんと話し合いながら繁盛の方法を一緒に考え、できる限りコストパフォーマンスに優れた店舗を設計するようにしています。当社では、これまでの経験を活かし、マーケティングなどについてもアドバイスを行います。過去の事例などをお伝えして店舗デザインに取り入れたり、ロゴマークなどに反映したりすることもあります。そして、最終的には、店舗内の植物の飾りつけなど、細部に至るまで提案を行っていきます。

当社では、デザインから施工まで、すべての業務を内製化しています。職人も自社の従業員であり、工事を別の業者に丸投げするといったことはありません。商売は、失敗すれば大きな負債を抱えることになります。コスト面も十分に見極めたうえで店舗を設計することが重要です。だからこそ当社では、すべてをワンストップで行うことで中間マージンを削減し、コストパフォーマンスが高い店舗を造れる体制を整えているのです。

お店を開業する際、最初に考えるべきこと

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開業するにあたり、最も重要となるのが「場所選び」です。オーナーさん自身で場所を選ぶケースもありますが、できれば、私たちのような店舗設計のプロのアドバイスを受けながら、一緒に立地を考えていくのがベストだと思います。そこから、自分がやりたいことを具現化していくのがよいでしょう。

特に、はじめて店舗を開業する人の場合、「その土地にどれだけの大きさの建物が建てられるのか」「店舗の前の道路を走る車のスピードはどうなのか」など、お店づくりを進めるうえで重要なポイントが理解できておらず、自分だけでは土地の良し悪しが判断できないケースも多いはずです。私たちのような店舗設計のプロであれば、こうした物件に対し、専門的な立場からメリット・デメリットを総合的に判断し、アドバイスすることが可能です。

「駐車場の台数がどれだけ確保できるのか」「店舗の席数は何席確保できるのか」「厨房のスペースはどれくらいか」など、店舗を運営するうえで大切なポイントは多岐にわたります。こうした情報が事前に把握できれば、プロの目線からその土地が本当に適しているのかをあらかじめ判断できます。そして、もし店舗を運営するうえで適当でないのであれば、別の場所を探すといった選択肢を取ることもできます。

コンセプト作りと完成までの流れ

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設計のコンセプト作りにおいて、私たちが最も大切にしているのがオーナーさんとのコミュニケーションです。土地選びの段階から互いに話し合いを重ね、会話の中で人柄を掴み、そこから店舗の方向性が見えてくることも多いです。

すでに土地が決まり、やりたいことが明確になっている人の場合は、ご要望に応じたベストな提案を行うようにします。一方で、まだ方向性が定まっておらず、ぼんやりとしたイメージしか持っていない人の場合には、私たちの方から色々な提案をし、徐々にコンセプトを固めていきます。コンセプトがどれだけ魅力的であっても、肝心の収益が伴わなければ元も子もありません。お店の収支がきちんと成り立つのかを一緒に見極めたうえで、お客様に寄り添いながらコンセプト作りを進めていくようにしています。

相談から完成までの期間は、早いケースで1カ月ほどです。オーナーさんによってさまざまな事情がありますので、しっかりとヒアリングをしたうえで、できる限りご要望にお応えするようにしています。また、店舗を造るうえでの借り入れの相談に応じるなど、その人に合った資金計画のアドバイスなども重視しています。

最終的には、オーナーさん自身が気に入った店舗を造ることが大事ですし、場所には相性などもあります。最初から「絶対にこうでなければならない」と決めつけるのではなく、まずはラフに考えていくのがいいと思います。

店舗設計会社を選ぶときのポイント

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店舗設計会社を選ぶ際、経験の乏しい会社を選択するのは、相応のリスクがあると考えた方がいいでしょう。例えば、家しか建てていない会社に頼んだ場合、家のような店舗ができてしまったり、店舗デザインにこだわっていない会社の場合には、集客面を考慮して設計されていなかったり、看板やロゴのデザインまでトータルで考えていなかったりすることがあるからです。

お店の方向性やブランド作りが、オーナーさんの考えと一致しないまま出来上がってしまうため、できれば経験豊富な専門性のある業者を選ぶことをお勧めします。また、設計と施工が別々に分かれている会社も避けた方が良いでしょう。オーナーさんとの意思疎通や情報共有が難しい場合があるからです。

ちなみに当社では、とにかく「繁盛店を造ること」を目的としています。そのためにはどういう方法があるのか、ブランド化を進めるのか、オープンした後の広告戦略はどうあるべきかなど、どうやってお店を運営するのがベストなのかを一緒に考えていきます。

店舗は家ではありません。10年、20年後も同じ形では、継続的に利益を上げるのは難しいでしょう。そこで、将来を見据えた店舗運営をお手伝いするようにしています。オーナーさんの心配を少しでも和らげ、単にお店を作るだけでなく、色々な方法を模索しながら繁盛店を造るようにしています。

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