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ピアノを趣味として楽しみながら、脳をいきいき若返らせる脳トレピアノ

2022/11/25

人生100年時代と言われる昨今、シニア世代の方々も多種多様な趣味を持ち、残された人生を謳歌する人が増えています。脳トレピアノとは、ピアノ演奏を楽しみながら脳をいきいきと活性化させる新しいピアノ術をいいます。今回は、中日文化センターのピアノ講師として活躍されている相馬和子さんに、脳トレピアノについて詳しくお聞きしました。

中日教えてナビ編集部

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脳トレピアノとは?

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シニアの方を対象に独自のメソッドを構築したのが脳トレピアノです。ピアノを通じて健康寿命を延ばすお手伝いをしています。ピアノをただ弾くだけでも脳の活性化につながりますが、これに加えて介護体操的な要素も取り入れているのが特徴です。例えば、リズムに合わせて生徒さんが答える脳トレクイズを行うなど、音楽に何かを合わせて脳を活性化させるのが脳トレピアです。

シニア世代の生徒さんに対して一番大事にしていることは「目配り」「気配り」「おもてなしの心」です。シニアの生徒さんは、必ずしもピアノを上手に弾きたいと思っているわけではありません。ある人はコミュニティを求めていたり、ある人はボケ防止にと考えていたりと、その目的はさまざまです。

今はコロナの影響で人と話す機会が減ってしまい、人と話そうとした時に思うように言葉が出てこない、話したいことを相手にうまく伝えられない、といった悩みを抱えるシニアの方々が増えています。このような悩みについても、ピアノを通じたリズム体操で脳を活性化させることで予防することができます。

全国で800人以上のシニアの生徒さんが脳トレピアノを学んでいらっしゃいますので、まずはお近くの脳トレピアノの教室にお問い合わせいただければと思います。「脳トレピアノ」で検索すればご近所の教室がわかると思います。

レッスン方法を教えてください

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レッスンはグループが基本です。シニアさん同士のコミュニティを大切にし、お互い励まし合いながらできる雰囲気づくりに努めています。また、おしゃべりの時間も確保しています。私から生徒さんに聞くことは毎回同じで、「何かいいことありましたか?」です。毎回同じ質問ですから、シニアさんも「今日は何かいいことあったっけ?」と自分でいいこと探しをしてくれるようになります。

シニアの方は、どんどん後ろ向きに考えていく傾向があるのですが、おしゃべりタイムを通じて、徐々に前向きな考えや発言が出てくるようになります。そして、一緒に歌を謳ったり、アンサンブルを弾いたりした後は、自由時間にして一人一人に好きな曲を演奏してもらいます。

本来のグループレッスンは、初心者クラスや上級者クラスなどに分けるのが一般的です。ただ、脳トレレッスンでは、初心者から上級者まで全員一緒に行います。その一方で、個人発表の時間も設けていますので、皆さんやりがいを持って参加してくださっています。レベル分けをしていない分、いつも仲良く和気あいあいとした雰囲気です。

楽譜などは読めなくても大丈夫です。基本コードでのレッスンにすることでピアノへの間口を広くとり、シニアの方でもすんなり入り込めるようになっています。通常の堅い感じのピアノレッスンではなく、その生徒さんに合わせたオリジナルのレッスンを展開しています。

子どもからシニアまで誰でも受講できますか?

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脳トレピアノはシニアの方に向いていると説明してきましたが、このメソッドは、子供たちのレッスンにも役立ちます。

今までのレッスンは、私たち講師が「この生徒にはここが必要」「ここを勉強させたい」と一方的に与える形が多かったと思います。ただ、シニア世代を対象に脳トレピアノを教えていく中で「この生徒は何を欲しているのだろう」「何を学びたいのだろうか」と考えるように意識が変化してきました。生徒さん本人やその親御さんが求めているものを提供していかないと長続きはしないと気付かされたのです。

そこで、宿題を出す時にも「これをやってきなさい」ではなく、「これとそれとどっちの宿題がやりたい?」と聞き、やりたいものを本人に決めさせるようにしています。そうすると、自分で決めたことですから生徒さん本人もしっかり宿題をやってくるようになりました。

自宅での料理教室についても聞かせてください

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もともと自宅で演奏会を開いていたのですが、その時に手料理をふるまっていた流れから、最近では料理教室も開催するようになりました。コロナも少し落ち着いてきましたら、今後は本格的に料理教室も行いたいと考えています。また、テーブルコーディネイトもやっていますので、ピアノと料理とテーブルコーディネイトをコラボした教室にしていきたいと思っています。

時にはシニアの方に料理を教えたり、逆に教えてもらったり、赤ちゃんのいるママにはテーブルコーディネイトを学んでもらったり、子どもたちの演奏会のコンサート会場になったりと、教室自体が一つのコミュニティの場になるのが私の夢です。

最後に、ピアノはやっぱり難しいと思っている方が多いと思いますが、一本指ひとつでも大丈夫です。もちろん楽譜は読めなくても構いません。自宅で練習する時間が取れなくても全く問題ありません。教室が練習場です。その生徒さんに合わせたペースでレッスンをさせていただきますのでお気軽にお問い合わせください。            

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