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思い出のバッグを20年間使い続ける!プロが伝授するレザーバッグの長持ちメンテ術とは?

2017/11/20

大切な思い出が詰まったバッグだから、末永く使いたい。そう思ってみたものの、愛用のバッグのお手入れにお悩みの方も多いのではないでしょうか。上質のレザーバッグであれば、上手にメンテナンスすることで20年ほど使えることもある一方、手入れや管理がずさんだと、カビだらけでアッという間に修復不能・・・という最悪の事態も。そこで今回は、バッグ職人がレザーバッグを長持ちさせるメンテナンス方法を伝授します。

中日教えてナビ編集部

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編集部

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「高級ブランドのバッグ=良いバッグ」とは限らない!

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お手入れの方法を考える前に、そもそも良いカバンとはどんなものでしょうか。高級ブランドがいいと思われがちですが、必ずしもそうではありません。なかには、必要以上に重量があったり、中にものが十分入らないといったこともあります。

良いカバンとは、あくまで「自分が使いやすいカバン」であること。もし可能であれば、自分で色や素材を選び、オーダーメイドするのがベストだと思います。良質の素材を使ったカバンであれば、丁寧にメンテナンスすることで20年は使い続けることができます。取っ手を取り替えるといった修理も可能です。

ちなみにカバンの素材にも、メリット・デメリットがあります。比較的丈夫なのは牛革と言われていますが、デメリットがないわけではありません。高額であるのと、水に濡れてはいけない点です。ただ、最近では日本でも水で洗える本革が出てきました。雨に濡れても大丈夫な素材でできている優れものです。こうした素材を選んでみるのもいいかもしれません。豚革は、牛革に比べると薄く、軽いのが特徴で丈夫で色々なカラフルな柄や色に染めてあります。安いのが大きなメリットです。

本革か合皮かで悩む方もいらっしゃると思いますが、やはり同じ製品にするなら本革を選びたいところ。イタリアでは、合皮のカバンを持ってホテルに行くと下に見られるといったこともあるようです。

雨で濡れたときは素早く水気を取り、タオルでふいて、必ず陰干しすること

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ここからは、バッグの具体的なメンテナンス方法を一つひとつ解説していきます。まずは、レザーバッグが雨に濡れてしまった場合のお手入れです。

レザーバッグが雨に濡れた場合は、中のものを全て出して、素早く柔らかい布で水気を取り、必ず陰干ししてください。高温での乾燥は、形が変わってしまうので禁物です。業界の専門用語で、バッグの中に丸めて入れるものを「あんこ」と言いますが、ご家庭でもこれと同じように新聞紙などを入れておくと、形が崩れにくいのでおすすめです。

レザーバッグを長持ちさせるコツは、汚れたまま高温・多湿の状態で保管しないこと。カビの原因になってしまうからです。通気性のある布などに包み、風通しの良い場所に保管してください。

軽い汚れを見つけたら、早めに乾いた柔らかい布で乾拭きしましょう。油性や手垢の強い汚れは、柔らかい布に皮革用クリーナーを少量含ませて拭き取った後、乾拭きします。この時、色落ちするものもありますから、必ず目立たないところで試してからお使い下さい。

お手入れには、必ず素材に合った専用クリーナーを用意しましょう。いずれにしても革製品のお手入れは、こまめに乾拭きすることが基本です。こうすることでレザーバッグが長持ちします。

カビが生えたら、濡れタオルで拭き取り、天日干しで乾燥&殺菌!

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大切なバッグにカビが生えてしまった。そんなときはまず、カビの部分を濡れタオルを絞ったもので拭き取ります。そして、水分を吸い込んだ革を乾かすのと同時に、紫外線でカビを殺すため、天日干しします。その後、革が乾いたら保湿用クリームなどを塗り、最後に乾拭きをして仕上げます。

長時間の天日干しは、革を乾燥させすぎてしまい、型崩れなどの原因にもなりますから要注意。また、カビを拭き取る時には消毒用エタノールを含ませるのがいいですが、エタノールを使用することで、革の色が変わることもあるので、最初は目立たない場所で確かめてから行うようにしてください。

こうした作業に不安を感じる人は、専門業者にクリーニングを依頼しましょう。素人だと、カビを落とすどころか、逆に革を痛めて失敗する可能性もあります。思い出のバッグなど、大切な品物であれば、無理をせずに専門業者にお任せするのが賢明かもしれません。

押し入れにしまい込むより、リビングに置いていた方が長持ちする!

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レザーバッグの保管は、直射日光が当たらない風通しの良い場所に保管するのがいいです。押し入れにずっと入れておくよりも、リビングのカバンかけなどに吊して置く方がいいでしょう。

バッグの保管時には、傷やホコリから防ぐため、通気性の良い布袋などに入れておきます。購入時に入れてあった不織布の袋が残っているようでしたら、ホコリよけにもなりますからこの袋を使い、乾燥剤もそのままにして保管すると良いでしょう。くれぐれもビニール袋など、通気性の悪いものには入れないようにしましょう。湿気がこもるため、たくさんのカビが発生してしまいます。

それでもタンスや押し入れに入れる場合は、通気性が悪くなってしまうため、定期的に取り出してバッグを確認します。また、すでにご紹介した通り、型崩れ防止を兼ねて、バッグの中には新聞紙や除湿用の炭を入れておくと、カビが発生しづらくなります。

除湿剤や乾燥剤を入れる場合は、直接触れると革が変色する場合もあるため、必ず離して保管するようにして下さい。また、革は乾燥しすぎると硬くなったり、ひび割れが起きたりするので、定期的に確認する際、革の表面が乾燥していないかを注意深く見るようにしましょう。

長期保管しないで、交互に使用するのがベストです。

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