マネー・保険

特集

物価高や世界情勢が不安定な今、どう資産運用すればいいのか

2025/06/10

物価高や世界情勢が不安定な今、どう資産運用すればいいのでしょうか?現在の貯金だけでは将来が不安という方も多くいると思います。こんな時代に合った資産運用の方法をファイナンシャルプランナーの重永響太さんにお聞きしました。

重永 響太

保険を売らない資産運用のプロ

重永 響太

メイン画像

最近の物価高や円安の影響で「貯金だけでは不安」と感じる人が増えています。この状況をどう見ていますか?

1

おっしゃる通り、ここ数年で物価は着実に上昇し、預貯金の実質的な価値が目減りしていることを感じている方が増えています。さらに、アメリカの関税強化による米中の経済対立、中東やウクライナ情勢といった地政学的リスクなどにより、世界経済の先行きは非常に不透明です。このような時代には、「お金をどう守るか、どう育てるか」という資産形成の考え方がより重要になります。投資に対して「怖い」「損をしそう」と感じる方も多いですが、大切なのはリスクを避けることではなく、“管理すること”。リスクを抑えるには、資産を分散し、偏らせないことがカギとなります。

投資信託やワンルームマンション投資など、選択肢が多いのですが初心者にとってのポイントは何でしょうか?

2

まずは、つみたてNISAやiDeCoなど「国が推奨する制度」を活用して少額から積立投資を始めるのがおすすめです。ただし、株式市場は世界情勢の影響を受けやすいため、それだけに頼るのはリスクが高い時代と言えます。大切なのは、“分散”です。資産クラスを分けることで、どれかが不調でも他が補う構造が作れます。そこで、現物資産であり管理等をプロに一任できるワンルームマンション投資も組み合わせるのもおすすめです。不動産投資はインフレ対策として魅力的です。注意すべきは、市場価格より割高な物件を買わされてしまうケースもあるということ。物件の選定は非常に重要で、購入前には収支計画や利回りの根拠を中立的に見極める必要があります。「分散」だけでなく「正しい判断」が欠かせません。

そうした中で「誰に相談するか」はとても大事です。安心して相談できる相手をどう選べばよいでしょうか?

3

これは非常に重要なポイントです。最近は保険や不動産を売ることが目的の営業やマネーセミナーが多くなっています。その場合、どうしてもお客様にとって本当に必要かどうかよりも、「売れる商品を勧める」ことが優先されてしまいがちです。私は「保険を売らない独立系FP」として活動しており、特定の商品を販売せず、中立的な立場からアドバイスを行っています。そのため、「保険は必要最低限に見直す」「不動産は営業を受ける前に第三者の視点で収支を確認する」といった、本質的な提案が可能です。営業されるのが不安、失敗したくない、という方には、まずは独立系FPに相談するのが賢明だと思います。

最後に、「これから資産形成を始めたい」という読者の方へメッセージをお願いします。

4

貯金だけでは不安、でも投資に踏み出すのが怖い――そう感じている方こそ、「小さく始めて、正しく学ぶ」ことが大切です。正しい知識と信頼できるパートナーがいれば、堅実に資産を拡大できる時代です。株式だけでなく、不動産や現金、保険も含めてトータルで考えることで、世界情勢が不安定でもブレにくい資産設計ができます。「何を選ぶか」の前に、「誰に相談するか」が資産形成の成否を大きく左右します。私は保険や不動産をを売らない立場で、お一人おひとりの将来やライフスタイルに合ったアドバイスを心がけています。将来の安心のために、まずは一歩踏み出すお手伝いができれば嬉しいです。

一覧を見る