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そもそも「年末調整」と「確定申告」の違いって何? 1年の総決算、「確定申告」であなたも還付金を受け取ろう!

2017/12/05

いよいよ年末が近づいてくるこの時期になると、耳にする機会が多くなるのが「年末調整」と「確定申告」。ただ、この2つの意味をきちんと理解している人はきっと少ないはずです。サラリーマンの方には馴染みの薄い「確定申告」ですが、実は、申告するだけで所得税が戻ってくることも! そこで今回は、税理士の米津晋次先生に、「年末調整」と「確定申告」の違いや、確定申告にまつわるお得な情報について教えていただきました。

米津 晋次

平日夜10時まで休日も対応する税理士

米津 晋次

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「年末調整」と「確定申告」は、どちらも1年間の所得税を精算すること。

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ざっくり言うと、「年末調整」と「確定申告」は、どちらも「所得税を精算する」という意味では同じです。

サラリーマンの方が毎年行うのが「年末調整」です。勤務先から支給される収入について、所得税を精算する作業のことで、基本的に勤務先の企業が行ってくれます。そのため、言葉を知っていても、実際の中身は詳しく知らないという人も多いかもしれません。所得控除などを計算し、所得税を納めすぎていた場合は、その分のお金が後日還付されます。

一方、「確定申告」は、主に自営業の方などが行う申告のことです。こちらも「年末調整」と同様、1年間の所得を申告し、その分の所得税を支払ったり、払いすぎた税を還付してもらったりします。サラリーマンの方も無関係ではなく、例えば、不動産の売買で儲けが出たり、副業で別の収入があったりする人などは、確定申告をする必要があります。

サラリーマンの方ですと、住宅を購入した時に確定申告をする人が多いでしょう。住宅ローン控除を受けるためには、1年目に確定申告をする必要があるからです。申告をすれば、ローン残高に応じて所得税の控除が受けられ、納めすぎた所得税が戻ってきます。

面倒だから確定申告しないのは禁物。延滞金が請求されることも!

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サラリーマンの場合、年末調整のみで済むことが多いですが、会社の給与とは別に収入を得ている人などは要注意です。「面倒だから」と確定申告をしない場合や申告を忘れた場合、故意に所得を少なく申告した場合には、加算税と延滞税を本来の所得税に加えて納付しなければなりません。その内容が悪質な場合には、加算税が重加算税に変わって追加納税額が大幅に増え、罪に問われることさえもあります。通常、大きな金額が動く場合には、税務署に情報が集まる仕組みになっています。税務署は、「不動産の登記が動いた」「取引先から支払いがあった」など、さまざまな方法で情報を収集しています。「どうせバレないでしょ?」と安易に考えるのは大きな間違いです。

最近では、専門部隊がインターネットの売買にも目を光らせています。頻繁に売買をしているような人は、特に監視の目が厳しいと心得ておいてください。正直に申告するようにしましょう。

うっかり期限を過ぎてしまった場合でも、あとから申告すれば大丈夫。所得税を多く払いすぎていた場合、基本的に5年以内に確定申告をすれば、所得税が戻ってきます

パートタイムで働く女性の「103万円の壁」とは?

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この「103万円」とは、「給与所得控除(65万円)」と「基礎控除(38万円)」を足した金額のことです。パート収入に限らず、給与として支払われる収入は、最低65万円が概算経費として差し引かれます。要するに103万円の給与収入がある場合、
103万円(給与収入)-65万円(給与所得控除)=38万円(給与所得)
となります。そして、ここから更に引かれるのが、38万円分の基礎控除。つまり給与収入が103万円以下であれば、所得税を納める必要がないわけです。
そして、所得が38万円以下であれば、「配偶者控除」の対象になるも大きなポイントです。例えば、夫がサラリーマンとして給与を得ている場合、妻の給与収入が103万円以下であれば、所得は38万円以下となり、夫の所得から配偶者控除分(38万円)を差し引くことができるのです。所得が38万円以下で配偶者控除を受けられるのは、妻が商売をしている場合でも同じ。収入(売上など)-経費が38万円以下であれば、同様に配偶者控除を受けることができます。収入が103万円以下でも所得が38万円を超えると配偶者控除を受けられなくなることに注意してください。
2018年1月からは配偶者特別控除の対象が拡大され、パート収入が150万円以下なら配偶者控除又は配偶者特別控除の満額控除を受けられるようになる一方、配偶者控除には夫の所得制限が導入されますので要チェックです。

仕事を辞めた時などは、払いすぎた所得税を取り戻せる可能性大!

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年の途中で転職した場合にも注意が必要です。例えば、年の途中でA社を辞め、その後、B社に転職してB社で年末調整を受けなかった場合には、A社とB社それぞれから発行された源泉徴収票から両社の給与収入を足して申告する必要があります。

また、A社を辞めた後無職が続いている場合には、確定申告をすると多くの場合は所得税が戻ってきます。独立して自営業者になった場合も、年間の収入を合算して確定申告する必要がありますが、その結果所得税が戻ってくることもあります。

たとえアルバイトやパートであっても、一定額以上を稼いでいる場合には、毎月の給与から源泉徴収という形で所得税が天引きされています。ただ、年の途中で会社を辞めると、その後の給与はなくなりますから、1~12月の給与を合算し、改めて1年間の税額を割り出してみると、所得税を払いすぎている可能性が高いのです。ぜひ忘れずに申告するようにしましょう。

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