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花粉症シーズンの到来もこれで安心!つらい症状をやわらげるために知っておきたいこと。

2018/03/06

猛烈な寒波が襲来した冬も過ぎ去り、近頃は穏やかな陽気が続いていますが、そんな春の訪れと共にやってくるのが「花粉症」です。鼻がムズムズし始めたと思ったら、くしゃみや鼻水、頭痛などの症状が現われ、すでに「外出時にはマスクが手放せない!」という方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、本格的な花粉症シーズン到来を前にどんな対策を講じておけばいいのか、漢方の専門薬局「皇漢堂林薬局」の林誠一先生にお聞きしました。

林 誠一

漢方薬の選び方・療法を丁寧に答えます

林 誠一

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花粉は鼻や口から入るだけではなく、皮膚に付着するだけでもアレルギー反応を起こす!

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花粉症対策は、症状が出る1ヶ月前から始めるのがいいでしょう。その時の花粉の飛散状況によりますが、早い方ですと1月から症状が現われ始めますので、年末から薬を飲み始める方もいます。また、花粉症は花粉を吸い込んだりすることで起こりますから、外に出るときは必ずマスクを着用するといった対策を講じることが大切です。外出先から帰宅した際には、服に付いた花粉を払ってから入るように心掛けましょう。

花粉は鼻から入るものが多いというだけで、他から入ってこないわけではありません。口や目、耳などの粘膜はもちろん、皮膚に付着するだけでもアレルギー反応を起こします。特に目などはマスクを着用しても侵入を防ぐことはできません。帰宅後はうがいのように目を洗浄するのがいいかもしれません。

最近では花粉症を治療する方法なども出てきていますが、花粉症やアトピー、じんましんといったアレルギーを引き起こす因子は遺伝子の中に組み込まれています。時期や年齢によって症状が治まったり、軽減されたりすることはあるものの、アレルギーに対する因子を持っていることに変わりはなく、一度発症すれば、基本的にずっと付き合っていくことになります。

漢方薬は症状や体質に合わせて処方。体の免疫力を高めて症状を緩和させる効果も

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花粉症を和らげるための漢方薬は、スギやヒノキなどといった花粉の違いで処方するのではなく、その人の症状や体質によって決めていきます。

例えば、初期症状であるくしゃみや鼻水の場合、体が冷えていることが考えられますので、まずは体を温めて寒さを追い出す漢方薬を処方します。また、鼻が詰まって目がかゆいような症状が起こっている場合には、炎症を冷やす効果がある漢方薬を選ぶようにします。このように、その時々の症状を見極め、花粉症の段階に応じて処方する漢方薬を決めます。

また、花粉症を予防したいという場合には、普段から調子の悪いところを改善する漢方薬を処方します。体の免疫力が上がり、結果的に花粉症の症状を軽減することにつながるからです。例えば、胃腸を整える漢方薬を処方したところ、体の調子が良くなり、花粉症の症状が軽くなったということはよくあります。

ちなみに、花粉症によい食べものは何かと聞かれることがありますが、特にこれがいいというものはありません。花粉症にこだわるのではなく、例えば体が冷えやすい人は温かいものを食べたり、熱やエネルギーが多い人は脂っこいものを控えたりと、その人の体質にあった食事を心掛けるのが良いでしょう。

気力だけで乗り切ろうとすると、蓄膿症などを併発させて治療に時間を要することも

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花粉症を引き起こす原因は、「(1)型アレルギー」と呼ばれるもので、即時型アレルギー、アナフィラキシー型と言われることもあります。この(1)型アレルギー反応の代表的な疾患には、アトピー型気管支喘息、アトピー性皮膚炎、じんましん、アナフィラキシーショックなどがあります。そのため、この(1)型アレルギーを持っている人は、どの疾患が現われてもおかしくありません。実際に、花粉症とじんましん、アトピー性皮膚炎などを一緒に起こしてしまうような人もいます。

花粉症には特に合併症などはありませんが、花粉症の症状にきちんと対処しておかないと、鼻水から蓄膿症を引き起こしたり、中耳炎や結膜炎を併発させたりと、症状を悪化させてしまう人もいます。

なかには、花粉症の症状が出ているにも関わらず、適切な対処を取らずに気力だけで乗り切ろうという方がいます。ただ、症状を悪化させて蓄膿症などになってしまうと、治療に長い時間を要してしまいます。まずは花粉症をきちんと理解して予防に心がけること。また、花粉症の症状が出てきたら、ひどくなる前にきちんと薬を飲んで症状を抑えることが大切です。

薬を飲んだ後の眠気にも個人差がある。副作用があることを十分理解した上で服用を。

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花粉やハウスダストに有効なのが、空気清浄器で空気をきれいに保つことです。最近では性能が良い空気清浄器が出ていますから、花粉症の方は部屋に置いておくといいでしょう。また、乾燥するとウイルスなどが粘膜に付着しやすい状況になりますから、風邪などを予防する意味でも湿度をコントロールしておくことが大事です。

花粉症の症状を和らげるために風邪薬を飲む人もいるようですが、これはお勧めできません。薬の成分にもよりますが、例えば鎮痛剤が入っていれば、頭痛が取れることはあります。ただし、これはあくまで一時的なもの。そもそも原因が違いますから、花粉症の根本的な解決にはなりません。

また、風邪薬と抗アレルギー薬を自己判断で一緒に飲むのは控えるようにしてください。薬の効果が強く出てしまうことが考えられるためです。薬剤師さんなどにきちんと相談するようにして下さい。

一般的に花粉症の薬を飲むと眠くなると言われますが、最近では眠気が出にくい抗アレルギー薬なども開発されてきています。ただ、全く影響がない人もいれば、眠気が強く出てしまう人もいます。必ず副作用があると理解した上で飲むことが大事です。やはり車の運転などは控えるようにするのが賢明でしょう。

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