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お彼岸にお墓参りをするのはなぜ?意外と知らないお参りの正しい手順やマナーとは?

2018/03/12

2018年も早いもので3月に突入し、春の便りを感じる暖かい日も徐々に増えてきました。そして3月21は春分の日です。お彼岸のお墓参りにお出かけになる方も多いのではないでしょうか。お彼岸とは、春分・秋分を中日とし、その前後3日間を合わせた7日間のこと。ただ、そもそもこの時期になぜお墓参りをするのかご存知でしょうか。そこで今回は、お墓ディレクターの木村泰長さんに、お彼岸にお墓参りをする理由や、正しい手順やマナー、便利なお掃除方法まで、詳しくお聞きしてきました。

木村 泰長

明朗価格で墓石販売!お墓アドバイザー

木村 泰長

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「お彼岸」は祖先をうやまい、亡くなった人を偲ぶ日。

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そもそもお彼岸にお参りするのはなぜでしょうか。国民の祝日に関する法律では、春分の日を「自然をたたえ、生物をいつくしむ日」、秋分の日を「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ日」と定めています。

まず、「彼岸」とはどのような意味があるのでしょうか。「彼岸」とは、対岸、向こう岸という意味で、それに対しこちら側は「此岸(しがん)」といいます。
「此岸」がこちら側、現世ですから、「彼岸」はあちらの世界、仏様の世界になるわけです。

お彼岸の中日になる春分の日と秋分の日は、それぞれ太陽の中心が天球上の赤道を横切る瞬間の交点、春分点と秋分点に達して、全地球上の昼と夜の長さがほぼ等しくなります。
分かりやすく言うと、太陽が真東から昇って真西に沈むということです。

「彼岸」である仏様の国は、はるか西方にあるとされていますので、太陽が真東から昇り、真西に沈むお彼岸中日の春分の日と秋分の日は、現世と仏の国が最も近づくことになり、ご先祖様と交信がしやすくなると考えられて、祖先をうやまい、亡くなった人の霊(みたま)を偲ぶため、お墓参りをするようになりました。

マナーや手順を気にするより、気軽にお墓参りを。

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お墓参りのマナーや手順はあるのでしょうか、と聞かれることがあります。
あまりマナーや手順を気にするより、もっと気楽にお墓参りをして頂きたいのですが、手順としては、墓地にお釈迦様や観音様が祀られていれば最初にお参りし、六地蔵さんが祀られていれば、その次にお参りします。そのあとに当家のお墓参りをします。

マナーとしては、よその家のお墓の敷地内に入らない、お墓に腰掛けたりしないなど、一般的な常識を守って頂ければよいでしょう。
ちなみに、お墓の敷地に沿って設置してある石(外柵/がいさく)は、結界と言って、娑婆(俗世間)と分け隔てる境界の意味があります。
墓地に入るときは一礼をしてから入ると、より心が落ち着くと思います。

また、お墓参りは午前中でなければいけないとか、日が沈んでから行かない方がいいと言われることがありますが、それは何も根拠のない話です。
私の近くの墓地では、夕方にお年寄りがお花を持ってお墓参りに行かれる姿をよく見かけます。

お供えものは必ず持ち帰るのがルール。お花は造花ではなく生花を選ぼう。

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お供えものも特に気を付けるものはありませんが、基本は必ず持ち帰る事。特に食べ物をそのまま置いて帰ると、猫やカラス等が汚す原因となります。
まず注意して頂きたいのはアルコール類。生前お酒が好きだったからと、お墓にお酒をかける方がたまにお見えになります。アルコール類は石の錆やシミの原因になるため、封を開けてもお供えするだけにし、持ち帰りましょう。
最近、生花は枯れるのが早い為(花筒の水量が少ない為)、造花をよく見かけるようになりました。「造花でもよいか」とよく質問をされますが、出来れば生花の方が良いと思います。造花で形だけ整えるより、しばらくお墓参りに行けないようなら、枯果てたお花をそのままにしておくより、お花その物をお供えしない方が良いと思います。
お墓参りはご先祖様や個人を偲ぶために行う事ですので、気持ちがあればお供え物はなくても構わないと思います。
お墓参りを終えて墓地を後にする時は、必ずローソクの火を消してから帰るようにしましょう。今は5cm位の短いローソクも売っていますので、その火が消えるまで墓前で個人を偲いたいものです。ローソクやお線香の火を消すときは、口でふいて消すのではなく、手で煽って消します。これは、人間は不浄の物とされ、現世に修行に来ているわけですが、その息も不浄のものとなります。仏様にお供えする燈火と香ですから不浄な息を吹きかけてはならないとされています。

お墓のお掃除はタワシでゴシゴシこするのはNG。水洗いで十分なので洗剤は使わないこと。

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お墓のお掃除は、まず除塵をします。
最初にお水で洗うのではなく、柔らかい馬毛などのブラシで墓石の表面に付いた埃を払います。石には細孔(さいこう)というとても小さな穴があいており、最初に水をかけてしまうと、表面に付いた砂埃などが細孔に入り込んでしまうので、それを防ぐために、まず埃を払い、次に緩めに絞ったタオルで全体を拭きます。洗剤など使わず、水で充分です。その次に固く絞ったタオルで、表面をトントンと叩くように残った水分を取り除きます。なかなか拭ききれない墓石の結合部の隅もこうすることで綺麗に水気を取ることが出来ます。
水垢が目立つからと金タワシでゴシゴシ擦るのはやめましょう。どうしても気になるのなら、1500番くらいの水ペーパーで優しく水垢部分をこすると取れる場合もありますが、近くの石屋に相談した方が良いかもしれません。
現在の墓石はほとんどが花崗岩で出来ています。とても硬い石なので、特別気を使う事はありませんが、100年以上前の墓石だと、軽い安山岩などで製作されている場合がありますが、前出のようにお掃除をすれば特に心配はないでしょう。しかし、お掃除をしてもどうしても取れない汚れは無理に取ろうとはせず、石材店に相談して下さい。
最近、ホームセンターや100円ショップで色々なお掃除便利グッズが販売されています。お彼岸が近くなったら、少しのぞいてみるのも楽しいかもしれません。

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