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耐震性とデザインの両方にこだわるべき! プロが教える自由な設計の家の注意点とは?

2018/03/19

一生に一度の大きな買い物と言われるマイホーム。せっかくだから夢をたっぷり詰め込んだオリジナルな設計にこだわりたいという方も多いと思います。ただ、すべて自由にプランニングできる分、どうすればいい家ができるのか逆に悩んでしまうということも・・・。そこで今回は、自由な設計で家を建てる時に押さえたいポイントについて、多種多様な建築物を手掛ける設計士の方に詳しくお聞きしました。これであなたも大満足の新居を建てられるはずです!

中日教えてナビ編集部

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デザインor耐震性の二者択一ではなく、両方にこだわった楽しい家を目指そう。

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自由な設計の家を建てる際、災害に強い家にするのか、デザインにこだわった家にするのかという二者択一で家作りを考える人がいますが、災害に強い家だからかっこいいデザインを諦めないといけないということはありません。一生に一度の買い物と言われるマイホームですから、妥協することなく両方にとことんこだわった楽しい家を作るべきだと思います。
窓がたくさんある家は、耐震性が低いと言われがちですが、必ずしもそうとは限りません。強度を出す方法はたくさんありますので、窓を多くしたい場合であっても、その分強度を補う建て方をすれば問題ありません。また、耐震性の面から、屋根の形状や瓦の重さなどを気にされる方もいます。確かに屋根が重いのは、地震にとっては不利になります。ただ、その場合でも壁の作り方を工夫したり柱や梁を太くするなど、こちらも強度を補うことで十分対処可能です。

開放的な大空間は木造ばかりでなく鉄筋コンクリート造や鉄骨造も選択肢の一つ。

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地震への強さの面では、一般的に二階建てよりも平屋の方がいいと言われます。建物が低い分だけ、横に力が加わった時に揺れにくくなるからです。

耐震性を重視した間取りは、地震に抵抗する要素がバランスよく配置されています。例えば、大空間の部屋にする場合でも建物全体の中に適度に壁が配置されているようにした方が、耐震性は高まります。開放的な広い部屋は魅力的で、その上に耐震性を考慮しながら、安心して長く住み続けられる間取りを考えたいところです。
一方で、耐火性や耐震性に優れた鉄筋コンクリート造などの選択肢もあります。
いずれの方法にしても建築コストとのバランスも大事な要素。これは永遠の命題でもあります。

あまり早くからバリアフリー化するとデメリットも。将来を見越した設計がカギに。

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最近では、バリアフリーを意識した住宅を建てる方も増えていますが、元々障害を抱えているわけではなく、将来の高齢化に向けたバリアフリーを考えて家を建てるなら、年齢に合わせてどう盛り込んでいくのかがポイントになります。

あまり早くからバリアフリーにしてしまうことは考えものです。例えば、玄関に段差がないと外のほこりが室内に入りやすいという難点があったり、手すりを早く付けすぎてしまい、全く使わず邪魔になってしまうといったことも考えられるからです。

平均寿命が延びた現代では、将来的に介護が必要になる可能性を考えて今を設計するのが良いのではないかと思います。例えば、トイレに手洗いカウンターを設置しておき、介護が必要になった段階で取り外して車イス用の広いスペースを確保する、といった工夫をしておくとよいでしょう。また、手すりを作れるように、あらかじめ下地を付けておくのもいいと思います。このように、建てる時点から先を見越した設計にしておけば、安心して長く住み続けることができるはずです。

二世帯住宅は水回りを共有せず、繋がりすぎない間取りにするのがおすすめ。

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二世帯住宅を考える場合には、キッチンなどの水回りは別にするのがよいと言われています。生活パターンが違うのに、水回りを共有して暮らすのはストレスの元。建物は繋がっているけれど、間取りはそれほど繋がっていない。その上で、お互いが顔を合わせる共有部分を作っておく。そんなプランにするのがベストだと思います。

水回りを2つ作るためには、その分の予算や敷地が必要です。それらを踏まえ、よく相談しながらプランを考えることが大切です。ただ、二世帯住宅を選ぶよりも、シルバー向けの施設に入居した方がお互いにとって快適だという声も耳にします。二世帯住宅ありきで話を進めるのではなく、いろいろな選択肢を考慮しながら決めるのがよいでしょう。

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