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お金のプロが教える!モノの売り時・買い時を見極めて、効率よく貯金を増やすコツ。

2018/05/21

貯金したいと思ってもなかなかたまらないという人は多いはず。なかには毎日コツコツと節約に励んでいる人もいると思いますが、それよりも<住宅><車><家電><保険>といった大きな出費をいかに抑えるかが、効率良くお金を貯める一番の近道かもしれません。ただ、「どのタイミングが一番お得なのか」は、素人にはなかなか分からないもの。そこで今回は、お金の専門家であるファイナンシャルプランナーの大森英則さんに、<住宅><車><家電><保険>のベストな買い時・売り時についてお聞きしました。

大森 英則

保険・資産運用のスペシャリスト

大森 英則

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住宅を増税前に駆け込みで購入するのは考えもの。むしろ損してしまう可能性も?

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2019年10月には、現状の8%から10%に引き上げられることが決定している消費税。その前に新居を手に入れようとお考えの方も多いと思いますが、増税前は、誰もが住宅購入を考える時期になるため、どうしても値引きがされにくくなります。また、過去の増税のタイミングでも住宅の着工数が増加しましたが、建築業者の数には限りがあるため、着工数が増えると不慣れな業者が家を建てることになる可能性もあり、一概にメリットがあるとは言えません。ただ、土地を探している人は、欲しい土地があれば増税前後に関係なく購入しておくのが良いでしょう。

どうしても増税分を抑えたいという方は、2019年3月までに契約を済ませましょう。そうすれば、引渡しが増税後になっても、8%の消費税が適応されます。ただ、例として
建物価格が2000万円の場合は、消費税が2%上がっても差額は40万円。値引き交渉することも十分可能な金額とも考えられます

なお、住宅購入時には、年収に応じて「すまい給付金」が支給されます。増税前は年収425万円以下ですが、増税後は年収775万円以下まで給付金が受けられ、給付額も最大50万円に上がります。また、増税後は需要が冷え込むため、業者も空いていますし、値引きに応じてくれるケースも考えられます。

車をいかに下取りで高く売るか。車種や色の選び方が重要なポイント。

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車を購入するタイミングは、販売店の決算月が狙い目でしょう。3ヵ月に1回、売上げを締めるため、そのタイミングを狙うと安く購入しやすくなることも。ただ、最近では、新車の値引きはあまり行われなくなりました。そのため、車をお得に乗り換えるには、現在の車を下取りで高く売ることが重要になります。

下取りで高く売ることを考えた場合、高い値が付きやすい色は購入層の多い白か黒と言われています。そのため、新車の購入時に高く売れる色を選んでおくのがベターです。車種も重要で、SUVは海外でも高い人気があります。また、日本では核家族化が進み、住宅の駐車スペースも限られていることから、燃費が良い軽自動車の人気が根強く高値で売れる傾向があり、モデルチェンジが多い国産高級車などは、少し前のモデルだと売値が下がりやすい傾向に。ワンボックスの車は海外にあまりなく、海外に売るルートを持っているお店で売ると高く買い取ってくれます。
自動車税の関係で2~3月は車を売る人が多く、4月は中古車市場に車があふれているため、下取りで高く売るのは難しいです。また、売る場所によっても値段は変わります。例えば、ファミリーカーを売るなら若い年代の家族が多い地域など、需要のあるエリアで売るようにしましょう。

家電は型落ち品が出るタイミングが狙い目。プライベートブランド商品も選択肢に。

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家電をお得に購入したい人は、型落ちになるタイミングを狙うと良いでしょう。この時が一番安くなります。例えば、エアコンは11月が安いです。夏モデルと冬モデルの間で、夏モデルのエアコンを安売りする時期だからです。在庫セールのタイミングを逃さないように、ネットでこまめに金額をチェックするのも良いでしょう。ただ、ネットの情報は、不確かなものも多いです。最終的には実際に店舗へ足を運んで商品を確かめるようにするのが良いと思います。特に大型の家電を購入する場合には、2~3店舗は回って、それぞれの店員さんの意見をきちんと確認してから決めるべきです。
安く家電を購入したいなら、プライベートブランドを狙うのも方法の一つです。最近では、安価なプライベートブランドの商品が数多く販売されるようになりました。こうした商品を選択肢に加えてみても良いでしょう。

保険は病気になると入るのが難しくなるため、若いうちから加入を検討するべき。

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2018年4月、11年ぶりに標準生命表の改定がありました。標準生命表とは、人が亡くなる確率を計算したデータで、各保険会社はこの標準生命表のデータを参考にして保険内容を決定します。そのため、保険商品は今後、値上げが予想されるものがある一方、値段が下がるものも出てきそうです。

最近では若くして亡くなる人が少なくなったため、短い期間だけ保険をかける定期保険、収入保障保険などの掛け捨ての保険は、保険料が安くなっています。長生きする人が多いので、「保険に入らなくてもいい」という考え方もありますが、加入後に保険をかけ直すこともできますし、健康診断も徐々に厳しくなっていますので、病気などを理由に加入を断られる前に入っておくべきだと思います。

若いうちは健康なので保険に加入しやすいだけでなく、早めに入っておけば少額の保険料で積み立てができるというメリットもあります。結婚した時、子どもができた時には、掛け捨ての保険に加入して保障を厚くしておくべきでしょう。万が一の時、家族に十分なお金を残せない可能性があるからです。また、寿命が長くなるにつれ、医療・がん・介護の各種保険については、給付を受ける可能性が高くなるため、保険料が値上がりしていく傾向にあります。こちらも早めの加入がお勧めです。

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