特集
2018/05/28
ジメジメした梅雨の時期が到来すると、どうしても発生しやすくなるのが室内のカビです。「水回りのカビは気にしている」という方も多いと思いますが、普段気に掛けない意外な場所にカビが生えることも。できれば、カビが付いたら落とすのではなく、カビを生やさないように予防したいところです。そこで今回はカビが発生する原因や場所、気を付けたいポイントなどについて、「おかたづけ・おそうじ」マスターのスペシャリストにお聞きしました。
中日教えてナビ
編集部
そもそもカビが発生する原因は、最近の住宅の性能と大きな関係があります。昔の家は、すきま風が通るような家が多く、風通しが良いのが普通でした。ところが、近年は「高気密」「高断熱」などを謳った高機能の住宅が一般的になり、人にとって快適になったことが、カビにとっても快適な環境を作ることに繋がってしまっているのです。また、防犯上の問題から、窓を開けない人が増えたこともカビを発生させる一因になっています。
カビは、温度や湿度以外にも、酸素やカビのエサとなるホコリや石けんかす、皮脂、衣類の繊維などが発生の原因になります。
カビが生えやすい条件は、湿度が65%を超え、温度が20~30℃の時です。カビは胞子ですから、根が生えてしまうとなかなか取れません。黒く目に見える前に根が生えてしまっていることもありますので注意が必要です。
風通しを良くするため、雨が降っていても窓は少し開けて風の通り道を作り、換気するようにしましょう。雨がやんだら湿気を取り込んでしまうので締めるようにします。部屋の中の換気扇を回したり、浴室乾燥機を使うのも良いと思います。
扉を開けて扇風機などで風を当てたり、すのこを使うのも風通しが良くなるのでおすすめです。収納スペースにモノを入れ過ぎないことも、カビを予防することに繋がります。
クローゼットでは、衣類をクリーニングのビニール袋に入れっぱなしにするのも、風通しが悪くなり衣類にカビが生える要因になります。クローゼットに入れる時は、ビニールを外すようにすることも大切です。
カビは畳にも生えます。特に、あまり使わない客間が畳の場合、風を通すことが少ないため、たまには空けて換気をするようにしましょう。
家具は、壁に密着させすぎるとよくありません。5cm程度は空けておくのがポイントです。ベッドの下には、除湿剤を置くのがベター。布団は、干すか布団乾燥機で乾燥させるのがおすすめです。また、布団は干してから掃除機で吸い、カビやダニを取り除くのが良いです。布団専用掃除機が無い場合は、普通の掃除機に使い終わったストッキングなどをかぶせて吸っておけば大丈夫です。
カビの発生しやすい場所はやはり水回りですが、意外に見落としがちなのが洗濯機です。お風呂場に近い場所にあることが多く、どうしてもカビが生えやすくなります。
普段から気を付けたいのは、濡れた衣類を洗濯機の中に入れたままにしないようにすること。また、洗濯機を使い終わったら、しばらくフタを空けておくようにしましょう。そして、洗濯槽クリーナーを使用し、1ヵ月に1回はきれいにすると良いでしょう。
掃除機についても、フィルターをこまめに取り替えないといけません。エアコンも吹き出し口をしっかりと掃除して使うようにしましょう。使い始めの時期は、窓を開けて換気した状態でしばらく動かしておきます。エアコンのフィルターは2週間に1回はほこりを取るようにします。掃除機で吸う程度で大丈夫ですから、こまめに行うようにしましょう。
カビが生えてしまっても、殺菌効果のあるカビ取り剤を使用したり、50度以上の熱いお湯をかけたりすることで殺菌できます。殺菌後は、しっかりと乾燥させることが大事です。ブラシなどでこすると傷ができ、そこにカビの根ができてしまうこともあります。そんな時にはカビ取り剤を浸透させて殺菌するようにしましょう。
ジェルタイプのカビ取り剤であれば、天井のカビに使う時にも垂れてくることがないので便利です。カビ取り剤と防カビ剤を組み合わせた商品を利用すれば、殺菌だけでなくカビを生えにくくする効果も期待できます。
塩素系の漂白剤などは強力なので、マスクや手袋を使わないと気分が悪くなることもあるため使用する時は注意が必要です。心配な方は、塩素系に比べて匂いが少ない酸素系の漂白剤がおすすめ。塩素系ほど強力ではないものの、40度ぐらいのお湯で掃除すれば十分取れます。まずは酸素系の弱い洗剤から使ってみましょう。全体ではなくカビの生えている部分だけに使えば大丈夫です。畳のカビについては、カビ取り剤を使うと白く変色する恐れがありますから、掃除機で吸ってから薬局などで手に入るエタノールで拭き取ると良いでしょう。
カビ対策は、カビが付いたら落とすのではなく、カビが生えないようにするのが基本です。防カビ剤などを上手く活用し、「カビを生やさない工夫」を生活に取り入れてみるのが良いでしょう。