特集
2018/06/25
ここ数年ですっかり定着した感のある「クールビズ」。全社を挙げて取り組んでいる企業も珍しくなくなり、夏本番を待たずに、早々と始めている人も多くなりました。ただ、ネクタイを外したカジュアルな服装が、どんなシーンでも通用するのかというと、決してそうではないのが困りどころ。特に外回りが多い営業職などでは、相手に失礼がないよう、服装に人一倍気を使っている方も少なくないはずです。そこで今回は、企業・個人のブランディングや印象アップを手掛けるコンサルタントの余語まりあさんに、相手に不快感を与えないクールビズのポイントについてお聞きしました。
中日教えてナビ
編集部
クールビズは元々、衣替えの時期である6月ぐらいから始まるのが一般的でした。ところが、最近では、開始する時期が徐々に早まってきており、気温が上昇して暑くなってくる5月から始まるようになってきています。
クールビズを始める時期は、5月のGW明けが一つの目安です。5月から少しずつ服装がカジュアルになっていき、完全に切り替わるのは6月ぐらいから。一方、クールビズが終わる時期については、地域によって異なります。名古屋であれば10月ぐらいが目安。11月でもクールビズを続けているのは違和感があると思います。
ビジネスシーンで大事なのは、自分が涼しいかどうかよりも、相手にとって涼しげで、爽快感を与えられるかどうか。自分ではなく相手にどう思われるのかが大切なのです。相手に不快感を与えてしまえば、仕事面でマイナスになります。例えば、丈の短いパンツやスニーカーを履く場合、通勤時であれば良いかもしれませんが、お客様に会うのはNGでしょう。常にお客様の目線に立ち、相手にどう思われるかを意識するように心掛けて下さい。
男性の場合、クールビズ=ネクタイを外すことだと思われがちですが、決してそうではありません。ネクタイを外して首元を開けると体感温度は2度違うと言われ、涼しく感じるのは確かでしょう。ただ、この場合も、自分の仕事の職種や業種を意識することが大事です。会社がクールビズを推奨していても、仕事内容や相手によってはネクタイを締めなければいけないこともあります。そんな時には、下着の素材を涼しいものにするなど、自分なりに工夫するようにしましょう。
また、注意したいのがネクタイを外した時の見た目です。通常のワイシャツでは、ネクタイを外すと襟が寝てきてしまいます。これではだらしなく見えてしまいがち。近頃は、襟が立つようなデザインのものが多く出回っていますし、素材にこだわった清涼感のあるアイテムなども出てきていますので、こうした商品を取り入れてみるのがよさそうです。
近頃は女性の服装のクールビズも注目されるようになってきました。昔は、女性の夏用のジャケットがあまり販売されていませんでしたが、近年はだいぶ増えてきました。種類もかなり豊富になり、多様なニーズに対応できるようになってきたと感じます。
女性の場合、ビジネスシーンでは肩を出すようなファッションはNGです。単純に露出をすれば涼しいというものではありません。素材で涼しいものを選ぶようにすべきです。
そして、靴は、つま先が出ているもの、後ろがストラップになっているものは基本的にNGです。ただ、会社の中で許されているものを、社内限定で履くのであればいいと思います。時代の先端を行くIT企業やアパレル関係の会社では、逆にかしこまったスタイルよりも社員の個性が分かるファッションの方が好まれるケースもあります。
また、いくらクールビズの時期だといっても、お葬式では肌を露出しないのが基本です。昔は、夏物・冬物を用意するのが一般的でしたが、今ではオールシーズンで着られるものも多くなっているので、こうしたものを選ぶのが良いかもしれません。結婚式については、フォーマルウェアの基準に則って服装を選ぶようにすべきです。
汗をかきやすい人は、まず自分の体質を知ることが大事です。例えば、到着時間を早めに設定し、汗拭きシートなどで身なりを整えてから客先に行くなどの工夫をするのがお勧めです。着るだけで涼しいアイテムや消臭の下着なども充実してきていますし、汗が気になるのであれば、着替えを持っていくのも一案です。
特にお客様に接する人は、清潔感を与える服装を心掛け、ファッションをうまくマネジメントすることで、提供する商品やサービスがより魅力的に見えることもあります。クールビズのファッションについては、情報を知っている人・知らない人で大きな差が出てきてしまいがちです。普段から服装に対する意識を高く持っておくことが大切だと思います。