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普段から飲んでいるのに、実は知らないことばかり?!「牛乳」のことを知れば、もっと美味しく飲める!

2019/01/18

普段、私たちが何気なく口にしている「牛乳」。スーパーやコンビニなどで日常的に購入しているという方も多いと思いますが、パッケージに書かれた「牛乳」「成分調整牛乳」「低脂肪乳」といった種類の違いを知っていますか? あまりに身近な存在すぎて、今まで素通りしてきた知らないことが実はたくさんある「牛乳」。そこで今回は、牛乳をもっと美味しく飲むために知っておきたいポイントを、東海酪農業協同組合連合会の河合講吉さんにお聞きしました。

河合 講吉

酪農関係に携わり38年間

河合 講吉

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「成分調整牛乳」「加工乳」などの名前は、成分によって定められた牛乳の規格です。

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私たちの生活に身近な飲み物である牛乳ですが、そのパッケージには「成分調整牛乳」「低脂肪牛乳」など、さまざまな名称が書かれています。これは、牛乳の種類を表すもので、乳脂肪分の割合などによって細かな規格が定められています。

【牛乳】
生乳を加熱殺菌したもの。乳脂肪分3%以上、無脂乳固形分8%以上。
【成分調整牛乳】
生乳から乳脂肪分、水分、ミネラルなどの一部を除去し、成分を調整したもの。
【低脂肪牛乳】
成分調整牛乳のうち、乳脂肪分を0.5%以上1.5%以下にしたもの。
【無脂肪牛乳】
成分調整牛乳のうち、乳脂肪分を0.5%未満にしたもの。
【加工乳】
生乳または脱脂粉乳やバターなどの乳製品を原料に、乳成分を増やしたものや乳脂肪分を減らしたもの。
【乳飲料】
生乳または乳製品を主原料に、乳製品以外のものを加えたもの。

ちなみに牛乳パックをよく見ると、上部に「切欠き(きりかき)」が付いているものがあります。これは、目の不自由な方でも触っただけで生乳100%の種類別「牛乳」で、反対側が開け口であることが分かるようにするためのものです。2001年から「切欠き」が付けられるようになりましたが任意表示なので全てのメーカーが付けている訳ではありません。

乳牛が食べるエサの種類や産地の気候によって、牛乳の味に違いが出る。

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乳牛のエサは、大きく粗飼料と濃厚飼料の2種類に分かれます。粗飼料とは、草そのものや、草を主原料に作られたエサのこと。一方の濃厚飼料はトウモロコシや大麦、大豆などの穀類で、タンパク質やデンプンが多いエサです。

乳牛に与えるエサは、産地によって違いがあり、これが牛乳の味の違いに影響します。例えば、粗飼料は主原料の草の繊維が乳脂肪の原料になり、一方の濃厚飼料は、無脂乳固形分の原料となります。この無脂乳固形分とは、牛乳の固形分から脂肪を除いたもので、タンパク質や乳糖・ビタミン・ミネラルで構成されています。

産地の気候によっても味に違いが出てきます。乳牛は、外気温が25℃以上になると、ヒートストレスを感じるようになります。元々ホルスタイン種は寒い地域の牛ですから、寒さに強い反面、夏の暑さには弱い特徴があります。夏になると採食量が減少し水をたくさん飲み、脂肪分も低下します。

生鮮食料品である牛乳は鮮度が大切。遠い産地よりも近場の牛乳を選ぶのがおすすめ。

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乳脂肪分については、「3.6牛乳」「3.7牛乳」と書かれた数字の部分で表しています。この数字が高ければ高いほど、乳脂肪分が高いということです。

夏場は暑さのため採食量が低下し生乳の成分も低下します。それでも3.6%を維持するようにしています。その分、冬の乳脂肪分は高めになり、実際は4.0%に近くなることもあります。牛乳のパッケージは季節ごとに替えるわけではなく、年間を通じて同じものが使われます。そこで夏場の乳脂肪分を維持するため、冬場はどうしても高めになるのです。

おいしい牛乳を飲むためには、産地を意識することが大事です。遠くから運ばれてくる牛乳は、それだけ運搬時間がかかります。牛乳は生鮮食料品ですから、できるだけ近場の産地のもので、鮮度の高いものを選ぶのがお奨め。
一般的に牛乳といえば北海道のイメージが強いのですが、東海酪連管内で生産された牛乳の成分は評価も高く、北海道に負けないおいしさです。

「牛乳=太る」というのは誤り。美肌効果や認知症予防も期待できるすぐれもの。

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牛乳は太るというイメージをお持ちの方もいるようですが、すでにご紹介した通り、牛乳の乳脂肪分は4%程度です。牛乳を飲んでいるだけで太るようなことはありません。
むしろ牛乳は、美容や健康に良いことが分かっています。2004年に実施された日本酪農乳業協会の調査では、20代女性に4週間にわたって牛乳、ヨーグルト、チーズのいずれかを1日3回摂取してもらった結果、摂取していない人達に比べて、皮膚の潤いが改善されて保湿力が高まり、油っぽさが減少したという声が多かったと報告されています。
牛乳に含まれるビタミンAは、表皮細胞を正常に保つ作用があるほか、ビタミンB2は、健康な皮膚や毛髪、爪を作るとされています。また、カルシウム不足はストレスを感じやすくすると言われ、カルシウムを多く含む牛乳を飲むことは、ストレスからくる肌荒れの予防効果も期待できます。
更に、牛乳に含まれるビタミンB12は、脳の発達だけでなくアルツハイマー症候群などの認知症にも関与するという報告もあります。このビタミンB12は乳製品のほか、肉、魚、卵などの動物性食品からしか摂取できません。日頃から乳製品などを口にし、ビタミンB12が欠乏しないように心掛けておくことが大事です。
このように牛乳には、美肌を保ち、病気の予防にも繋がる成分がたくさん含まれています。ぜひ新鮮な牛乳をたくさん飲み、美容と健康に役立ててもらいたいです。

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