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阿部 一雄

車いす建築士によるバリアフリー提案!

阿部 一雄 あべ かずお

阿部建設株式会社

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事例・コラム

2016/11/16 10:11

熊本地震と住宅に関する特別番組を見て(4)

(続き)
(4)四号特例・構造計算
木造住宅を建てる場合、四号特例と呼ばれる壁量計算が認められています。
この四号特例は平面の面積から必要な壁量(長さ)が導き出され、それをあるルールに従って平面図上に壁量として配置すれば、偏って耐力壁が配置されていたり、必要な柱・梁断面、直下率などを考慮する必要がなく、建築基準法に合致した住宅の確認申請を行うことが可能になります。
構造的な知識が少ない建築士でも、必要壁量さえ配置すれば特別な構造計算を行わなくても設計が可能なようにしています。
詳しい数字はデータがないためわかりませんが、この四号特例で建てられている木造住宅が全体の90%以上を占めていると思われます。
この特例が、今回の「住み続けられるか」 「倒壊又は半壊に至った」を分けた最大の原因だと私は考えます。
つまり、住宅のほとんどが構造計算を行っていないのです。
これは先に述べた性能表示の耐震等級2や3でも同じことです。
1.25倍、1.5倍と、必要壁量を多くしているだけで、構造計算を行っていないのです。
阿部建設は全棟許容応力度による構造計算を行って、柱や梁の必要断面や必要金物などの確認をしています。
四号特例は、誰もが簡易に設計できることを容認しているため、ある程度の余力があり、安全性に問題がないとおっしゃる建築関係者は少なくありません。
しかしながら、実際に許容応力度で構造計算を行うと、柱や梁の断面不足が生じます。
四号特例では全くこうした点は、問われません。
単に、壁量(長さ)だけを充足していれは基準をクリアーではきます。
阿部建設は四号特例を使わず、全棟許容応力度による構造計算を行っています。

(5)剛心・重心
建物のバランスを考えると、剛心・重心と言った考え方があります。
剛心・重心も建築基準法にはない考えです。
力の集まる中心点を剛心と言い、建物の重さの中心を重心と言います。
この2点が近いほどバランスの良い建物と言われています。
このあたりを阿部建設では注意をはらい、設計に取り入れています。
(続く)