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阿部 一雄

車いす建築士によるバリアフリー提案!

阿部 一雄 あべ かずお

阿部建設株式会社

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事例・コラム

2022/01/25 00:00

実例(5)「バリアフリー住宅の動線整理の重要性」前編

バリアフリー住宅には障がい者本人をはじめその家族(高齢者や幼い子供まで)、介護ヘルパーなど様々な人たちが過ごすため、その人たちの動線整理が必要です。動線には内部動線と外部動線の二つの動線を別々に考えることが重要です。動線整理がしっかりできていれば本人及び家族の負担も軽減され快適なバリアフリー住宅での生活が可能になります。今回のコラムは外部動線と内部動線のポイントを二人の障がい者の実例をもとに解説します。

【事例1/Y様邸】
競輪選手で練習中の事故により脊椎損傷となったY様はご自身で車の運転をするため「車の出入り動線」「駐車場から玄関への動線」この二つの外部動線の整理から始めました。駐車位置を決めるとき車両の大きさはもちろん誰が運転するのかにより乗降スペースの確保位置が異なります。またデイサービスを利用するなら車の出入りが容易でかつ障がい者本人が乗り降りしやすいスペースを要します。Y様は運転席右横のスペースを大きく確保しお一人で家族に気兼ねなく安全かつ楽に出かけられるようにしました。
駐車場から玄関への動線は段差がネックになります。スロープを設けることにより段差は解消できますがスロープのスペース確保、雨対策、歩行距離などデメリットもあります。それ以外にも玄関の車いすのスペース、框を外すために埃が入りやすくなる衛生面の問題など考慮する必要がありました。以上の要素を整理し既存玄関はそのまま家族の方が使用し、Y様専用の玄関を増築し段差解消には昇降機を導入することにより既設の玄関や階段に費用をかけず改修コストを抑えるとともに家族の方が今までと変わらない生活を送れることができました。
外部動線を充実させ気軽にY様がお一人で外出することを可能にしたことによりY様自身も家族に気兼ねすることなくまた、家族も補助の負担から解放されお互いが遠慮することのないバリアフリー住宅を実現しました。

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