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阿部 一雄

車いす建築士によるバリアフリー提案!

阿部 一雄 あべ かずお

阿部建設株式会社

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事例・コラム

2022/02/25 00:00

多様化するバリアフリーニーズに応える

近年のバリアフリー住宅は、「障がい者が使いやすい」以外にも様々な要望をお施主様から求められています。さらに、従来の「機能優先」ではなく、デザイン性に加え各家庭の事情・要望に合わせたバリアフリー住宅が強く求められています。バリアフリーユーザーの家づくりに対する夢や理想は、健常者の家づくりと何ら変わりません。今回はその中でも「二世帯バリアフリー住宅」の特徴を持つN様邸の事例を挙げて解説していきます。

【実例/二世帯バリアフリー住宅】

バイク事故で脊髄損傷を負い車いす生活者となったN様は、ご夫婦と娘さん、お母様の二世帯で実家の住宅を建て替えることになりました。もともとマンション住まいで、将来的に高齢のお母様がいる実家を建て替える予定でしたが、車いす生活者となったことで計画が早まりました。突如山間部の実家に移り住むことになってしまい、「二世帯のバリアフリー住宅」の設計を誰に頼めばいいのかもわからず途方にくれていたところに、知人の方からの紹介で私とご縁が繋がりました。お会いして最初に提案したのは、二世帯住宅でも以前と変わらない生活を送ること。中途障がい者並びにご家族が事故で障がいを負った事実を克服し元の生活に戻ることが最善の道と考え、「N様の介助が最低限で済む機能・間取り」「二世帯においてお互いが気遣いしないで済むこと」を家づくりの方針としました。

主なバリアフリー箇所

カーポートや玄関まわりは大きなスペースを設け、車いす・健常者ともに快適な利用が出来るようスロープと階段の設置を行いました。N様の自立した車いす生活を促せるように、自室横に専用のトイレや洗面台・クローゼットを配置し、自室には余暇・趣味活動が出来る広いカウンターを設けました。また、奥様の介護・家事負担の軽減を図る目的でサンルームを設置し、お母様には家族との距離を適度に保って生活して頂けるよう自室と和室(サブリビング)を独立して設けました。

まとめ


多様なニーズのバリアフリー住宅に応えるため、それぞれのご家族に合わせて毎回異なる最適解を探さなくてはいけません。生活シーンには配慮しつつ、障がいに捉われない豊かな生活を送っていただくことが、その人らしい生活をする上で重要であり、バリアフリ一コーディネーター(建築士)としても大切な役割だと考えています。