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阿部 一雄

車いす建築士によるバリアフリー提案!

阿部 一雄 あべ かずお

阿部建設株式会社

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事例・コラム

2022/07/01 00:00

「心のバリアフリー」の未来について考える

現在の社会では一見バリアフリー環境は整ってきていると考える方も多いと思います。しかしながら障がい者と健常者の間にあるバリアーはまだ多く存在しているのも事実です。これらのバリアフリーの社会的仕組みを作るのに必要なのがノーマライゼーションという考え方です。ノーマライゼーションとは障がいを持つものと持たないものとが平等に暮らして行ける社会を作ろうという理念です。


ノーマライゼーションの理解

ノーマライゼーション社会の実現のためには様々な社会的支援はもちろんの事、何よりもその理解を深めることが肝要です。学校や職場などでも多様性という言葉が使い始められ身近にいる人との異なりを認識し、理解する機会も増えてきました。これからはインクルーシブ教育などを通じて社会的問題点を共有し、バリアフリーに対する習慣理解を推進し障がいをもつ者ともたない者が平等に普通の生活が営める社会の実現を目指さなければなりません。


誰のためのバリアフリー?

ノーマライゼーション社会を推進していく過程で、誰かのバリアフリーが誰かのバリアになってしまう事例もあります。例えば点字ブロックなどは視覚障がい者には必要なものですが、車いすやベビーカーユーザーにとっては移動が不便になってしまうのです。場所によって、人によってバリアフリー機能は様々です。機能とデザインを上手に融合させるためにはそれを話し合う枠組みが必要になってきています。バリアフリー機能と建築デザインの仲介役としてバリアフリーアドバイザーの活躍の場が広がってきています。


バリアフリーの配慮は?

公共施設でのバリアフリーに対する配慮はバランス面において難しい課題です。また、施設だけではなく周辺のまちづくりやバリアフリーマナーに至る運営までを検討する必要もあります。バリアフリーを望む人たちと建築設計に携わる事業者が話し合ってバランスのとれた施設建築を実現するためにはバリアフリーアドバイザーの役目がとても大事なのです。

18回にわたり「バリアフリー」についてお話をさせていただきました。施設設備のバリアと障がい者とその家族の方々の心のバリア、二つの側面のバリアを取り外すことができるバリアフリーコーディネーターの育成に今後も取り組んでいきたいと思います。