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阿部 一雄

車いす建築士によるバリアフリー提案!

阿部 一雄 あべ かずお

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事例・コラム

2022/09/05 00:00

住みよいバリアフリー住宅は「心のバリアフリー」から

家族だからこそ気付きにくい「バリア」

誰でも障がいを負った人との日常生活は想像しがたいもの。ですが例えば、家族の誰かが障がいを負った場合、突然それは“日常”となり、容赦なく突きつけられる現実に戸惑うことばかりです。障がいを負うことで暮らしは一変しますが、現実には家族一人ひとりの生活スタイルを急に変えることは難しく、障がい者本人と家族の間には気づかないうちに「心のバリア」が生まれるのです。
例えば、機能回復のためにリハビリに取り組んでいる姿を見て、家族は「本人が一番つらいのだから」という思いから、本音を押し殺して振る舞います。一方でそれは障がい者本人も同じです。「家族に申し訳ない」という思い。こういった双方が抱く過度な遠慮や気遣いがやがてストレスとなり「潜在的な不満=心のバリア」となってしまうのです。


本音を口にして向き合うことが「心のバリアフリー」につながる

バリアフリーというと物理的なことを考えますが、家族全員が住みよい住宅にするには現状をどう感じているのか、本当はどうしたいのかを互いに明確にすることが大切です。
バリアフリーコーディネーターを介して「身体の不自由さをどう考えているか」「これからどういう生活がしたいのか」「将来の目標」など、なかなか言えない本音を話してみる。双方が心に秘めた葛藤や気持ちを吐き出し、それを家づくりにも反映することで、心も身体もバリアを外した暮らしが実現します。単純に段差解消や手すりの取付けではなく、大切なのはまず語り合うこと。それが「心のバリアフリー」です。


家族全員にとって住みよい住宅を作るには

家族みんなにとって住みよい住宅を造るには、まずは本音で話し合い潜在的な不満を取り除くこと、そして理想の住まいの形を決めたら早い段階で医療関係者と面談し、医療的な面で実現可能かを確認することです。「車いす生活者は1階で暮らす」「スロープを設置する」など、先入観で決められたバリアフリーが障がい者本人や家族にとって本当に最適なものであるのか。バリアフリーコーディネーターを上手に使い一つひとつを見極めながら、家族それぞれに合った「本当のバリアフリー住宅」を目指しましょう。

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