2023/01/10 00:00
出入り口を設ける方向と手すりの位置
トイレで介助しやすくするためには、便器のまわりに介助者がしゃがみこめるよう60cm程のスペースが必要です。部屋を上から見た時、便器に平行な方向に出入り口を設けることが基本です。また、手すりの使いやすい位置や高さは人それぞれです。トイレ内での動きを想定し、身体のバランスを取れる位置を探っていきます。一方で、使用時以外は収納できるタイプの手すりを選ぶなど、介助者にとって障害物にならないような配慮も必要です。
トイレの床材・壁材と収納について
バリアフリー建築のトイレでは、掃除のしやすさも大事です。継ぎ目がなく水分を吸水しない、汚れが拭き取りやすい床材や壁材を選ぶことで掃除の手間が軽減されます。また、収納スペースはつくり付けにし、排泄器具などが出し入れしやすいように棚の下部を開けて設置すれば、車いすでもアプローチしやすくなります。
人感センサー付きの照明
人感センサーが付いた照明を選ぶと、スイッチを押すという操作が不要。設定を工夫すれば、用を足している最中に灯りが消えてしまう、という問題にも対処出来ます。
寝室の近くに配置
身体を休める寝室の近くにトイレがあれば、体調の変化が起きても安心して過ごせます。可能であれば、トイレ・洗面・浴室は一直線のレイアウトにすると移動がスムーズです。
「トイレを分ける」という選択肢も
予算と敷地に余裕がある、または改修に費用がかかりすぎる場合には、ご家族用とは別に障がい者・高齢者用のトイレを新設する、という方法もあります。排泄に時間がかかっても気兼ねせず、ゆっくり利用することができます。新設する際は、使い慣れたトイレを基に設計し、必要に応じて使いづらい部分を改良していく方がよいでしょう。
介助・介護のしやすさにも配慮した快適な空間に
下半身が麻痺している場合には便意や尿意の感覚がない、又は鈍いため、トイレは時間で管理することが求められ利用頻度も上がります。排泄に1時間以上かかる場合もあり、長時間でも快適に使用できる空間づくりが大切です。また、障がい者・高齢者はもちろん、介助者の使い勝手も重要になります。トイレ内だけでなく、居室からトイレまでの動線も考慮することで、ご家族や介護ヘルパーも介助・介護しやすくなります。