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阿部 一雄

車いす建築士によるバリアフリー提案!

阿部 一雄 あべ かずお

阿部建設株式会社

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事例・コラム

2023/01/25 00:00

バリアフリー建築のチェックポイント(4)全体の間取り・設備

安全で快適な動線を確保する

車いすを使用する場合、車いすの大きさ・形状に合わせたスペースと動線が必要です。車いすにもいくつか種類がありますが、方向転換をするときには直径2m以上のスペースを必要とする時もあります。実際に設計をしてみると、かなりの広さが必要だと気づきます。曲がり部分を減らしたり、回転しなくても済む動線にするなど様々な工夫が必要です。
高齢者や下半身不随の車いす生活者は、足をぶつけても感覚がない、または鈍くなっていることがあります。家の中でも安全に過ごすために、動線の確保はとても重要です。



行き止まりのない家に

行き止まりをつくらないことも大切です。廊下、リビング・ダイニングや寝室、水回り等を「口の字型」に配置し回遊動線を確保します。玄関から一直線の廊下で奥の部屋までつながっていれば、車いすでもスムーズに移動が可能です。また、行き止まりがないと体調がすぐれない時には家の中で散歩に近い運動ができます。簡単に運動・気分転換ができるため健康的です。行き止まりが避けられない時にも、車いすを回転できるような設計にしておかなければいけません。



ホームエレベーター

ホームエレベーターを設置すれば、間取りの自由度は上がります。エレベーターなしの2階建ての家だと、車いす生活者は2階に上がることはできませんが、エレベーターがあれば解決できます。
エレベーターを設置するときには、後ろ向きで入って前向きで出られるように、エレベーターの前に回転できるスペースを設けることも大事です。
最新のエレベーターなら、省スペースで設置できるものも多いです。



引き戸を上手に使う

家を壁で仕切るのではなく、引き戸を効果的に使うことで、生活を便利にすることができます。引き戸なら、ヘルパーさんが来たときに空間を一時的に分けることも簡単です。1人になりたい時間を作るのにも便利で、状況に応じて柔軟に環境を変えることができます。



動線や仕切りに工夫を

バリアフリーの家を作るためには、生活動線の工夫が欠かせません。家の中にいる人全員が、できるだけストレスなく生活できるような動線は家族全員が快適に暮らせます。また、介護ヘルパー専用の動線があれば要介護者の部屋に直接入れることもできますので家族のプライバシーも守られます。