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阿部 一雄

車いす建築士によるバリアフリー提案!

阿部 一雄 あべ かずお

阿部建設株式会社

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事例・コラム

2023/09/19 15:32

バリアフリー住宅の実例「変化を見据えた家 Y様邸」 前編

生活に合わせて変化していく家


進行性の神経疾患を持ちながらリハビリテーションの仕事をしているYさんは、奥さんと暮らすための家を建てました。体の状態にあった機能と天然木の持つ香りや触り心地を楽しめる、2階建てのバリアフリー住宅です。お祖父様が岐阜県で林業に携わっていたこともあり、小さな頃から木に愛着のあったY様。岐阜の木材を使って家づくりをしたいと思っていたそうです。
そんな家づくりにあたっていろいろな住宅メーカーと話をしたYさんは、気になることがありました。それは、木の床は“ぬくもりがある”と言われるものの、手足に進行性の神経疾患を持つYさんにとっては、冷たくて痛いと感じたことです。木の“ぬくもり”と、実際の“ぬくい”は違っていて、住宅メーカーとはそこが噛み合いませんでした。

そうしたことで悩んでいるときに出会ったのが、阿部建設です。阿部建設では、空気集熱式ソーラーシステム「OMソーラー」を導入しており、自然の熱を上手く利用できる家に仕上げることができます。冬は家全体が温かく、夏は熱の一部を給湯に使い他は外に排出することで涼しさを保つことができます。「ぬくもりがあってぬくい家」を求めているYさんにとって、興味深いシステムです。また、私自身が車椅子で生活する障がい者ということもあり、Yさんの思っていることを理解できたことも大きなポイントでした。また、Yさんの祖父にゆかりのある飛騨の木を使っているということもあり、イメージと現実のぬくもりを兼ね備えた家を建てられるのではないか、ということで家づくりが進みました。

打ち合わせの中で当初は完全なバリアフリーを目指したのですが、「本当にそれで良いのか?」と疑問を投げかけました。障がいのことを考えたバリアフリー住宅ですが、完全なバリアフリーにしてしまうと、現状で使える身体機能まで衰えてしまう可能性があるため、ベストな選択ではないと思ったからです。今ある機能を残すためには、必要な部分をバリアフリーにすれば良いとアドバイスをしました。

※バリアフリー住宅の実例「変化を見据えた家 Y様邸」  後編に続く