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阿部 一雄

車いす建築士によるバリアフリー提案!

阿部 一雄 あべ かずお

阿部建設株式会社

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事例・コラム

2024/05/30 00:00

障がい者の動線に合わせた間取りつくり

「動線を出来るだけシンプルに」
障がい者・高齢者が歩行器や車いすを使用するならば、その大きさや形状に合わせたスペースと、それに伴う動線の確保が求められます。車いすの場合、大きさや形状は使用者の障がいの程度や使い方によって異なり、方向転換をするには普通サイズで直径約1.4m、リクライニングタイプの場合は直径2m以上のスペースが必要です。
バリアフリー住宅においては、この回転スペースを設けること自体難しい場合が多いため、曲がり部分を減らしたり、回転を必要としない動線を設けたりと間取りを工夫しなければなりません。
下半身不随の車いす生活者や皮膚感覚が低下した高齢者は、誤って足先やひざをぶつけて傷ができても感覚がない、または鈍いので、家の中であっても移動に神経を使います。このような事故を防止するためにも、安全で快適な動線の確保は必須なのです。

「行き止まり」を作らない
これらを考慮して私がバリアフリー建築を設計する際は、廊下、LDK、水まわり、寝室などを「ロの字」型に配置し、行き止まりがない「回遊動線」を確保するようにしています。こうすることで玄関から奥の部屋までが一直線の廊下でつながり、車いすでもスムーズに家中を行き来できるからです。その結果、障がい者・高齢者が可能な限り自立した生活を送ることにつながり、それを見守るご家族の負担も減ります。
また、体調が思わしくない日や将来的に症状が重くなった場合でも、散歩する感覚で家の中を歩き回ることができ、気分転換にもなります。
やむを得ず行き止まりの間取りとなった場合は、車いすを回転させたり、切り返したりできるスペースを考えます。
障がい者だけでなく、その家族が一緒に住みやすく快適に生活できるように考えて作っていければと思っております。