後田　文子 うしろだ　ふみこ

今回は、二世帯住宅の種類、プランについてご紹介いたします。同居のプランについては、家のどこまでを共有するのかによって、「完全同居プラン」「共有同居プラン」「別々同居プラン」の3種類のプランに分けられます。

完全同居プランは個室以外のスペースの大部分を共有するタイプの事で、昔からあった同居の形に近いものです。日常生活のほとんどを一緒に過ごす事になりますので、親御さんの世帯がご高齢な場合などでも目が行き届いて安心感があります。一方で大家族になりますので、お互いの気遣いも大事になります。

共有同居プランはご家族のニーズに合わせて必要な部分だけを共有するもので、もっともバリエーションの多い形式となります。例えば玄関だけを共有するとか、水廻りもどれを共有にしてどれを分けるかなど、それぞれのご希望に合わせて組み合わせます。同居にはお互いに助け合える便利さと安心感があり、別居には自由や気楽さがあるので、ご家族の中でその最適なバランスを図って調整して頂けるプランです。

別々同居プランでは、住まいは一つですが生活空間は各世帯で完全に独立しています。建物内部で上下に分ける場合や左右で分割する方法の他に、同じ敷地に別棟を建てるというやり方もあります。このプランでは普段の生活は綺麗に別れていますので、どちらの世帯も自立した生活を希望される場合に向いています。一方でいざという時にはすぐに駆け付けられる安心感も兼ね備えています。

一口に二世帯住宅といっても、今や色々な組み合わせが選べる時代です。ご紹介したどのタイプであっても同居の安心感は確実に残りますので、同居のメリットを活かしつつも一様に考えずに、細かく選択をしながら設計をしていくのが一番良いでしょう。