2021/11/22 00:00
二世帯住宅を建てる場合には、それぞれの家庭の家族構成とライフステージを考慮することがポイントになります。例えば、子世帯に小さい子供(孫)がいて、親世帯もまだそこまで高齢ではないというような場合には、親世帯と子世帯が協力して育児ができるようにするために、それぞれの世帯の間をスムーズに行き来できるような間取りにするのがおすすめです。例えば、各世帯の居住空間を分ける場合であっても、建物の中でそれぞれの空間を往来できるようにしておくと良いでしょう。
ただし、孫が大きくなって思春期を迎えるにあたり、世帯間の距離があまりに近すぎるというのもよろしくありません。そのため、両世帯のゾーニングはしっかりと分けるようにし、それぞれのプライバシーが確保できるようにしておくというのも重要になります。子世帯が育児中の場合は、子育て支援とプライバシーが両立できる間取りにすることを心がけるようにすれば、住み始めてから後悔するような事態には陥らずに済むはずです。
一方、子世帯に子供がいなかったり、いたとしてもすでに成長して手間がかからなくなっているような場合は、将来的に直面するであろう親世帯の介護を想定した間取りにすることがポイントになります。なるべくスムーズに介護ができるようにするために、できれば親世帯の居住空間は2階以上ではなく、1階に設けた方が良いでしょう。また、両世帯の居住空間が完全に分離されていると、親が体調に異変をきたした場合にすぐに気づくことができない恐れがあります。そのため、もし建物を別にするような場合には渡り廊下を設けて行き来がしやすいようにするというのも一つの考え方です。
住みやすさを重視しよう
二世帯住宅の間取りについては、必ずしも正解はありません。そのため、多くの人は理想の間取りを求めて悪戦苦闘することになりますが、ここで紹介したように家族構成とライフステージをしっかり意識しておきさえすれば、少なくとも住みにくい家にはならないはずです。なお、設計においてはそれぞれの世帯の意見のすり合わせも十分に行うことが重要です。