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事例・コラム

2023/12/25 00:00

建物の耐震性の強さはどこで見ればいい?

「耐震」とは、文字通り「地震」に「耐える」ために建物を頑丈に作るという考え方のことです。地震の多い日本では、非常に重要なポイントになります。2000年に住宅の品質を高めるために「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」が定められ、「住宅性能表示制度」という住宅の性能を共通の基準で評価し表示する制度ができました。耐震性を表す評価が1~3で表される「耐震等級」で、耐力壁の数などで決定します。数が大きいほど水準が高くなり、1級は耐震基準を満たすことを表し、2級はその1.25倍、3は1.5倍の強度を表します。

耐震性の高い建物は、ただ耐震等級が高い訳ではありません。他の要素とのバランスによって、耐震性は大きく変化します。注目したいのが「偏心率」と「耐力壁直下率」です。地震が起きると、建物はただ上下左右に揺れるだけではなく小刻みに「ねじれ」が起こっており、その結果構造物が断ち切れてしまうことがあります。地震の規模が大きい場合、柱や筋違などの太い構造物が断ち切れることもあるのです。地震によって引き起こされる力は、家の中心である「重心」に最もかかります。「ねじれ」を弱めるためには、この重心と、最も剛性が強い「剛心」を近づけることが必要で、そのズレを「偏心率」といいます。つまり偏心率が低ければ、それだけ「ねじれ」が起きにくい家と言えるのです。

「耐力壁直下率」とは、2階の耐力壁の下に1階耐力壁がどれだけ配置されているかを示す指標です。この数値が高いほど安定した建物と言われており、逆に壁の位置が1階と2階でズレていると直下率は低くなります。耐震等級が高いにも関わらずこの直下率が低いことで倒壊した建物も報告されており、重要な指針であるとまとめられています。


いろいろな要素に注目してみよう

建物の耐震性を表す表示の一つが耐震等級で、数字が高ければ高いほど強い建物という評価になります。しかし建物の強さはこの耐震等級だけでは決まらず、偏心率や耐力壁直下率などの指標も、建物の地震に対する強さを知るための重要な指針です。一つの数字だけに注目するのではなく、いろいろな表示のバランスを見るようにしましょう。