2018/03/05 11:23
フランスが世界に誇る若手ヴァイオリニスト、ニコラ・ドートリクールによる公開レッスンを名古屋市のスタジオ ハルにて開催致しました。私どもは、音楽振興と教育に少しでも貢献できるように、このような機会を定期的に設けております。このような場は国際的に活躍するプレーヤーによる生の音を聴きながら、自らの音楽を磨けるまたとない機会になります。今回も、名古屋近郊の優秀な子供達を中心に受講生が集まりました。小学生2名、中学生2名のスーパーキッズと、有望な音大生、社会人の計6名が、その腕前を披露しながら、ドートリクール氏から指導を受け、さらなる音楽性を追求する熱気に誰しも引き込まれていきました。譜面上の音符を見てただ弾くことと、音楽を表現することは、過程と結果の差ではないとつくづく感じます。何を表現したいか、どのように感情を出したいかなど、個個人の持つ感性を人に伝える気持ちこそが大切であり、それが人に何かを訴え、感じさせる音楽となります。それを引き出すための手段がテクニックです。心と技を兼ね備えること、これには果てしない努力が必要になります。純真な心で一生懸命に音楽に向き合う今日の受講生の姿に聴衆も感動を覚えました。そして、忘れてはならないのが楽器の持つ音色になります。表現力に大きな作用をもたらす楽器の音色は、それぞれが異なるものです。ドートリクール氏の使用楽器は、最高峰とされるアントニオ・ストラディヴァリの1713年製。お手本の演奏をされるたびに奏でられる音は、さすがに聴衆を魅了するものでした。受講生の楽器もイタリアの近現代の製作家によるものがほとんどで、楽器の質の高さを感じました。私たちができることは音楽家やそれを目指す子供達、プロだけでなくアマチュアの音楽家のために、少しでも良い音を奏でてもらうことであり、そのためにあらゆるグレードにおいて、クオリティの高い楽器を提供することと、音の調整において真摯に向き合って行くことであると考えております。それが弾き手と聴き手の双方に、幸せな時を与えてくれるものであると信じております。