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杉田 直樹

ヴァイオリン売買のコンサルタント

杉田 直樹 すぎた なおき

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事例・コラム

2018/10/01 14:25

日本人とヴァイオリン~その黎明期を探る (その2)

2. 日本でも始まったヴァイオリン製作

安土桃山時代に日本人は初めて西洋の音楽を聴いた。しかし実際に西洋音楽が文化として日本に伝わるのには、それから300年ほど時を待たねばならない。禁教、鎖国政策によって、西洋文化と分離された環境を貫いた日本だが、明治12年(1879年)、政府によって 音楽取調掛が設置されて以降、急速に西洋音楽が広まることになる。演奏では、小説家・幸田露伴の二人の妹である、幸田延と安藤幸(1878-1963)によって本格的なヴァイオリン音楽の幕開けを迎えた。安藤幸は、世界的なヴァイオリニストであるヨアヒムに師事し、日本におけるヴァイオリン教育の発展と演奏人口の急速な増加に貢献した。 そんな中、当時、貴重で「舶来品」と呼ばれたドイツ製のヴァイオリンが国内にも入り、それを元にヴァイオリンを製作しようとする気運も高まっていったと思われる。
日本で初めてヴァイオリンを製作したのは誰か。諸説あるが、「バイオリンの日」制定は前述の、三味線の製作者「松永定次郎」が明治13年(1880年)、ニコライ堂(東京復活大聖堂)の外国人ヴァイオリニストの楽器を模して作ったのが初めてであるという説を採用している。明治20年頃になるとヴァイオリン製作を生業として手がける者も現れたが、中でも本格的に製作を行い、日本のヴァイオリン製作の祖と言われるのは、なんといっても名古屋の鈴木政吉(1859-1944)である。
鈴木政吉については、現在の鈴木バイオリン製造株式会社(以降、鈴木バイオリン)のホームページにその生い立ちから、製作家、実業家として日本のヴァイオリン文化にいかに貢献していったかが大変わかりやすく説明されているので、詳しくはその内容を是非読んでいただきたい。
http://www.suzukiviolin.co.jp/about/story1.html