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水谷 秀和

産業カウンセラー・傾聴アドバイザー

水谷 秀和 みずたに ひでかず

一般社団法人 日本産業カウンセラー協会 中部支部

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事例・コラム

2023/06/20 00:00

心理的安全性が最重要な土台に

「成果を上げ続けるチームとそうでないチームは何が違うのか」について、米グーグル社は4年の歳月をかけ調査を行いました。その結果、「成功するチームの5つの鍵」には、「信頼性」「構造と明瞭性」「仕事の意味」「仕事のインパクト」の4つの鍵があり、それを支える土台となる鍵として「心理的安全性」があると公表しました。「心理的安全性」について、ハーバードビジネススクールのエイミー・C・エドモンドソン教授は、「素直に自分の意見を伝えても対人関係を悪化させてしまうという心配がない状態」と定義しています。つまり、チームの成功には、「言いたいことを率直に言える組織風土」が最も重要な要素だといえます。

先が見通せないビジネス環境において、現場の声や情報を正確に反映することは重要な課題です。また、継続的なイノべーシヨンのためには、垣根を越えた自由な意見交換や建設的な対立が必要不可欠です。そして、ダイバーシティの推進のためには、互いの違いを認めた上で共感することも求められます。心理的安全性の欠如は、企業経営に重大な悪影響を及ぼすことが様々な調査で明らかになっています。例えば、産業事故や企業不祥事の調査では、伝えるべきことが伝わっていれば防げるようなことが数多くあります。また、職場で感じる孤独感や不安感が労働生産性の低下やメンタルへルスの不調を招くことも指摘されています。

組織の心理的安全性を高めて維持するためには、リーダーの行動が大きな鍵となります。まず、メンバーの仕事の能力や意欲を信じて任せてみたり、失敗しても責めずに良い学習の機会ととらえることが必要です。そしてメンバーの意見を聴き 、リーダーがビジョンを提示し、メンバーへ率直なフィードバックを行うことで、お互いの信頼感を高めるのもいいでしょう。また、リーダー自身が失敗した経験や弱みを見せることにより、メンバーに心理的安全性を示すことができます。


一人一人の気持ちが安定する上での傾聴力


「心理的安全性」については、職場などの組織に関わらず、多くの人が集い、互いにコミュニケーションをとるような場所において重要視されています。職場においては、一人一人の気持ちが安定している状態で、はじめて健全な仕事が成り立つのです。そのような状態で、互いの信頼感を高めるための取り組みの一つとして傾聴力が必要となります。