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杉田 直樹

ヴァイオリン売買のコンサルタント

杉田 直樹 すぎた なおき

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事例・コラム

2018/10/01 14:27

日本人とヴァイオリン~その黎明期を探る (その12) 最終回

12. 音の再現、名古屋で

来年2月、森悠子を音楽監督とする長岡京室内アンサンブル名古屋公演が開催される。今、私が、演奏会に先立つロビー演奏を企画している。そこで弾いていただくのが、このおばあちゃんのヴァイオリンだ。百余年の眠りから覚め、誕生地名古屋でどんな音が孫娘によって奏でられるのか楽しみである。
森さんは、6歳から鈴木メソードでヴァイオリンを始め、その後、相愛音楽教室に通い鷲見三郎に師事。さらに桐朋学園では齋藤秀雄から大きな影響を受けることになる。また、中学時代に地元高槻から列車で東京麹町の安藤幸の元へもレッスンに通った。政吉の楽器を所有した安藤幸と、彼女に接点があったことに私は嬉しさが込み上げた。「私をレッスンしてくださった時に弾いてらっしゃったのが、その楽器だったのかしら?」そんな言葉をポツり。音楽は時代を跨ぎ、人と人との縁を幾重にも織りなしていくものとつくづく思う。ヴァイオリンもまた然り。私と森さんの出会いも、ヴァイオリンケースを携えていた同士、パリ行きの飛行機であった。
音楽教育者、ヴァイオリニストとしてのその素顔を知るほどに、お話を伺うほどにその奥行きのある人間力に引き込まれる。長岡京室内アンサンブル名古屋公演のお手伝いをすることは、まるで必然であったかのように決まってきた。これも彼女の魅力によるものなのだろう。
長きに渡りヨーロッパを拠点に活躍していく中で、彼女が確固たる理念と思想を持って結成した長岡京室内アンサンブル。1997年結成のこのアンサンブルは、国内外の各地より森悠子から学びたい優秀な若手演奏家が集まる。その魅力は、指揮に頼らぬ「互いを聴く耳」を研ぎ澄まして作る、緻密で洗練された「合奏」にある。
来年2月3日(日)名古屋 電気文化会館での演奏会には、ヴァイオリンソロに、ブリュッセル王立音楽院教授の安紀ソリエールを迎え、(ヴァイオリン) 森悠子、高木和弘、谷本華子、ヤンネ舘野、石上真由子、田村友里恵、中平めいこ、大和美祈 (ヴィオラ) デヴィッド・キグル、南條聖子 (チェロ) 金子鈴太郎、ラファエル・ベル (コントラバス) 石川徹 (オーボエ) 中江暁子、須貝絵里 (ホルン) 海塚威生、小坂ちえみ という豪華なメンバー構成が予定されている。
日本人とヴァイオリンの関わり、その黎明期に思いを馳せながら聴いてみたいと思う。