産業カウンセラー・傾聴アドバイザー
一般社団法人 日本産業カウンセラー協会 中部支部
2023/08/20 00:00
1on1ミーティングとは、上司と部下が1対1で行う面談のことです。1on1ミーティングでは、社員の成長を促すために30~60分程度のミーティングを毎週または毎月行います。そのため、MBO(目標管理)における面談とは、目的や回数などの点で異なります。1on1ミーティングは、あくまで「上司が部下と信頼関係を築いたうえで成長を促す」ための面談であることを忘れないでください。
ICTと呼ばれる情報通信技術の発達によって、出社せずに働けるリモートワークや在宅勤務を推進する企業は増加傾向にあります。このように、企業を取り巻く環境が目まぐるしく変化する中で、「自分で考えて動ける社員を育成したい」という思惑もあり、1on1ミーティングを導入する企業が増えているというわけです。
1on1ミーティングを実践するうえで重要なのは、「部下に話をさせ」「上司は傾聴に徹して意見や答えを言わず」「自分に依存させない」ことです。そのうえで、部下自身に問題解決行動を促すことが大切です。この関係は、カウンセリングにおける信頼関係の構築・問題の把握・目標の設定と達成というプロセスに似ています。つまり、1on1ミーティングにおける上司と部下も、そのような関係性と考えてよさそうです。
1on1ミーティングを実践することで、部下の成長や問題解決への行動を促せます。また、ハラスメントの防止や上司の成長という効果も相まって、より働きやすい職場環境の構築が実現できます。その結果として、ワークライフバランスが推進され、社員のパフォーマンスや生産性の向上が期待できるのが、1on1ミーティングによる最大の効果です。
1on1ミーティングを成功させるために最も大切なことは、部下の話を傾聴することです。とはいえ、部下の話を傾聴し続けるというのは、それほど簡単なことではありません。そのため、上司の中には、傾聴力を高めるために専門講座を受講する人もいます。そんな講座の1つに、産業カウンセラー養成講座があります。この講座では、傾聴を体系的に学べて知識やスキルがしっかり身につくため、1on1ミーティングを担当する上司に最適です。