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水谷 秀和

産業カウンセラー・傾聴アドバイザー

水谷 秀和 みずたに ひでかず

一般社団法人 日本産業カウンセラー協会 中部支部

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事例・コラム

2023/11/20 00:00

人材育成で注目される「メンター制度」とは?

業務の効率化や就業形態の多様化が進む中、社内のコミュニケーションが希薄化し、十分な人材育成ができないという悩みを持つ企業が増えています。そこで注目されているのが「メンター制度」です。これは指導・支援「する人」と「される人」がペアを組み、いわばマンツーマンの形でキャリア形成はもちろん心理的・社会的な発達も促していくという方法です。指導・支援する人を「メンター」、される人を「メンティ」と呼びます。

企業への導入例としては先輩社員がメンター、新入社員がメンティとなって1対1で指導するという方法があります。仕事にも社会生活にも慣れない新入社員は様々な問題を抱えがちですが、何かと相談できる先輩が近くにいれば安心です。メンターは単に悩みを聞くだけではなく、メンティが自分で考え行動できるよう指導していくのが重要な役割であり、メンターの自立を最終的な目標として定期的な対話を続けていきます。

この制度はメンター自身の成長も促すという点が大きな特徴です。メンティとの関りによって新たな気付きを得ることもありますし、コミュニケーション力やマネジメント力を鍛えることにもなります。

メンター制度は新入社員教育に限らず、上司と部下、ベテラン社員と中堅社員など様々な組み合わせで実施することが可能です。特に働き方改革の中で女性管理職の登用を進める企業では、仕事と家庭の両立などのお手本を示すロールモデルが必須となります。ここにメンター制度を導入することで女性の先輩・後輩間のコミュニケーションが促進され、女性社員の育成につなげることができるでしょう。


メンター制度の成功の鍵は傾聴力


メンターという考え方は人材育成はもちろん、テレワークにおいて上司が複数の部下をマネジメントする際にも役立ちます。ただ、メンター制度は単にペアを作ればそれで解決というわけではありません。メンター制度はうまく利用すればメンター・メンティ双方の成長につながりますが、これを成功に導くためには、安心して相談できる雰囲気を作り、いわゆる心理的安全性の醸成が鍵となり、その手段として傾聴力の向上が大切になります。