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インターネットのセキュリティについてわかりやすく専門家が解説!

2022/08/30

有益な情報が簡単に手に入れられる反面、使い方を間違えれば、思いがけないトラブルに巻き込まれたり、犯罪被害に遭ったりする危険性もはらんでいるインターネット。今回はインターネットのセキュリティ対策について「システム本舗えふ」の福田久稔さんに詳しくお聞きしました。

福田 久稔

あなたの傍のICTコンサルタント

福田 久稔

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インターネットの危険性の理由

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インターネットは、実際の社会と同じです。良い情報もあれば、嘘の情報もあります。大事なことは、情報が信頼できるかどうかを見極める力。最初は嘘と思いながら取り入れる、すぐに鵜呑みにしないといった姿勢が重要です。

情報を見る側は、「発信されている情報が本当か」「怪しいかも」と疑ってかかるくらいでちょうど良いでしょう。怪しいと思った場合は、正しい情報かどうかをアナログ的に調べることをお勧めします。例えば、「○○川が氾濫した」といった災害情報であれば、テレビやラジオで必ず報道されますので、既存のディアをうまく活用するようにしてください。

本当に正しい情報を入手したいのであれば、原本にあたるのが一番確実です。国が出している官報などを確認するのが良いでしょう。特に匿名性の高いSNSなどでは、無責任なことを書く人もいます。ただ、なかにはメディアには載らない有益情報もありますので、上手に付き合うことが大事です。

インターネットの接続機器には、固有の番号が振られています。この記録を辿れば、個人を特定することも可能です。発信する側も「匿名だから大丈夫」と思っていたら大間違いです。面白半分で嘘の情報を流した場合、罰せられたり、損害賠償を請求されたりする可能性があります。情報発信者は、間違いない情報を発信するようにしなければなりません。

インターネットの脅威、危険となる手口

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冒頭でもお伝えした通り、インターネットは社会の縮図です。そのため、「なかには悪いことを考える人もいる」ということを常に心の中に留めておいてください。

例えば、ある英語のホームページを閲覧した際、英語で書かれた内容がすぐに理解できず、面倒なので読まずに「OK」を押したとします。すると、そのページからあなたのパソコンに「マルウェア」が送り込まれることがあります。

マルウェアとは、有害な動作を行うために作られた悪意あるソフトウェアの総称で、いわゆる「コンピュータウイルス」も、このマルウェアの一種です。自分のパソコンに侵入したマルウェアは、コンピュータを故障させたり、身代金を要求したり、個人情報を収集して送信したりします。

また、偽のメールで個人情報を聞き出したり、迷惑メールに添付されたファイルからマルウェアに感染させたりする手口もあります。そのため、SMSのダイレクトメッセージを含め、見知らぬメールが来た場合には、絶対にクリックしたり、ファイルを開けたりしないようにしてください。

一般利用者のセキュリティ対策

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最近特に多いのが「ワンクリック詐欺」です。クレジット会社、銀行、ネットサービスなどを騙る偽のメールは、人の心の隙を狙ってきます。この手のメールにはさまざまな特徴がありますので、次に挙げる点を覚えておいてください。

【詐欺メールの特徴】
●日本語が不自然である
※ただし最近は、巧妙なものも存在します。
●登録していない、利用していないサービスや銀行などから送られてくる
●差し出し人のアドレスが正しいものではない
※ドメインが関係ない国のものになっていることがほとんどです。
●文章に自分の名前が書かれていない

上記のようなメールのリンクは、絶対にクリックしてはいけません。不安に思ったときは、身近な専門家に相談するか、消費者センターに相談してください。

このほか、悪意のあるホームページにアクセスし、マルウェアに感染させる例も多く見受けられます。また、「あなたのパソコンはウイルスに冒されている」と表示させ、あたかもメーカーが連絡してきたかのように電話を掛け、お金をだまし取る手口も見られます。画面表示と音声で恐怖心をあおり、冷静さを失わせるのが狙いです。

マルウェアによる被害を防ぐためにも、常にOS(基本ソフト)を最新のものに更新し、ウイルス対策ソフトを導入するのがお勧めです。たとえウイルスに感染したとしても、ウイルス対策ソフトが止めてくれます。

企業・組織のセキュリティ対策

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企業の機密情報漏洩は、企業価値の喪失に繋がります。まずは、自社から漏らすことがないようにすることが先決です。基本的に人が引き起こすことですから、しっかりとした規範(情報取扱のポリシー)を立て、全社員に教育するようにしましょう。また、外注先などの関係会社についても、その規範を守らせる誓約書を取っておく必要があります。情報は目に見えませんが、大変価値のあるもの。安易な取り扱いは厳禁です。

情報漏洩を防ぐための基本は、同じパスワードを使い回したり、容易に想像できるパスワードを使ったりしないことです。また、リモートワークなどを行う場合は、企業は安全性を十分確認した上でソフトウェアの選定やネットワークの構成を行うようにしてください。

インターネット上の危険は、ウイルス対策ソフトである程度回避できます。ただ、最終的には「クリックしない」「ファイルを開かない」「電話を掛けない」など、あなた自身の行動が重要になってきます。

メールが届いた時には、「これはクリックしてもいいのかな?」「このメールやメッセージの送信者は本物かな?」と疑問を持つことが重要です。そして、少しでも不安に思ったら、絶対にクリックしたり、ファイルを開けたりしないことです。どうしても迷う場合は、個人であれば消費者センター、企業であれば担当部門などに躊躇無く相談しましょう。

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