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パソコンやスマホは何歳からOK? 子どもとインターネットとの正しい関わり方とは?

2018/08/13

インターネットが普及した環境で生まれ育った子どもたちのことを、「デジタルネイティブ世代」と呼びます。こうした子どもたちにとって、パソコンやスマホは当たり前の存在です。確かにインターネットは、簡単に世界と繋がることができ、たくさんの情報を得られる便利なツールです。ただ、その一方で、誤った情報を信じてトラブルに巻き込まれたり、SNSを通じて犯罪に巻き込まれたりする危険性もあります。そのため、子どもとインターネットとの関わり方について悩んでいる方も多いと思います。そこで今回は、システム本舗えふの福田久稔さんに、子どもたちとインターネットの正しい関わり方についてお聞きしました。

福田 久稔

あなたの傍のICTコンサルタント

福田 久稔

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パソコンやスマホに触れるのは何歳からでもOK。ただし、きちんとルールを決めておきましょう。

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子どもにパソコンやスマホを触らせることに不安を覚える親御さんは多いですが、私は「何歳までは触らせてはいけない」といったことはないと考えています。子どもはだれでも面白いものに興味を示すのが普通で、パソコンやスマホに関心を抱くようになるのは当然の流れです。大切なのは、子どもにパソコンやスマホを触らせないことではなく、きちんとルールを作ることです。

私が子育てをしていた時には、子どもにじっとして欲しい時にはビデオを見せていました。それが今ではスマホに変わったというだけです。ただ、注意したいのは、ビデオは基本的に自宅のテレビがある部屋でしか見られませんが、スマホはどこでも見られるという点です。スマホを使った育児を否定するつもりはありませんが、できる限り最小限に留めておくべきだと考えます。また、小さい子どもが自分一人で直接スマホを触れるようにするのではなく、保護者も一緒に触るようにするといった工夫が必要でしょう。

まずは家族内でのルールを明確にし、子どもだけでなく保護者もきちんと守ることが大事。

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パソコンやスマホは、インターネットに繋がることで大きな威力を発揮します。インターネットの世界は、社会の縮図のようなもの。良い面もあれば、悪い面もあります。悪い面ばかりを気にして闇雲に遠ざけるのではなく、注意すべき点を理解した上で正しく使うことが大事です。

まずは家庭でのルールを決めるようにしましょう。例えば、子ども自身がスマホを持った時には、「充電はリビングでする」「自分の部屋に持ち込まない」といったルールが考えられます。また、保護者のスマホを持ち出し、小さなお子さんが動画を見たりする場合にも、「食事中は動画を見たり、ゲームをしたりしない」「電車の中やバスの中では音を出さない」といったルールを決めておくべきです。そして、保護者の側も「本人の許可なく勝手にスマホを見ない」など、子どもの権利をちゃんと認めてあげることも大事です。そして、家族で決めたルールは、子どもたちだけに押しつけるのではなく、保護者自身もきちんと守るようにしましょう。

SNSなどでトラブルが発生したら、すぐに保護者や先生に相談するように事前に伝えておく。

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子どもたちがインターネットを利用する際には、使い方を間違えたら危険な目に遭うということをきちんと教えましょう。また、これはインターネットの利用に限った話ではありませんが、何か困ったことが起きたら、必ず保護者や先生に相談するように伝えておくべきです。

特に注意したいのがSNSの利用です。FacebookやインスタグラムなどのSNSは子どもたちの間でも人気ですが、安易に自分の写真を掲載してしまい、ストーカー被害にあったり、プライベートな写真をネット上で拡散されたりる危険もあります。何かトラブルが発生したときには、すぐに保護者や先生に相談するようにきちんと教えておきましょう。

また、ネットの情報は正しいものばかりではないことも教えておくべきです。学校の授業などでも情報リテラシーに関する授業を行ったりしていますが、それだけでは不十分です。学校だけでなく家庭でも、インターネットの情報をそのまま信じてはいけないことをきちんと伝えるようにすべきです。

プログラミングの学習が、子どもたちの「問題解決能力」や「想像力」を養う。

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デジタル化が急速に進んでいる今の時代だからこそ、私は子どもたちに「コミュニケーション能力」を身に付けてもらいたいと考えています。最近では、人とのコミュニケーションがネットを介さないとできなかったり、簡単な言葉や絵文字だけで伝えようとしたりする子どもが増えていますが、それでは大人になってから必ず困ることになります。

また、自分の思い通りにならない時の「問題解決能力」や、これから起こることを自分の頭で考える「想像力」も子どもたちに身に付けて欲しいと考えます。例えば、目の前のゴミを片付けなかったらどうなるのかを想像できなければ、自分の後に来た人が困ったり、不愉快になったりすることにまで考えが及びません。想像力を働かせることはとても大事なのです。

2020年からは小学校でプログラミングの授業が必修化されますが、「問題解決能力」や「想像力」はプログラミングの学習によって養うことができます。また、講師を務める大人たちと会話することで、コミュニケーション能力や大人との接し方を身に付けることもできると考えます。

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