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後東 博 ごとう ひろし

愛知相続サブリース・老朽アパート研究所

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事例・コラム

2024/07/16 17:32

アパート経営を台無しにする13の大罪と回避方法(12)

12、サブリース契約リスクその1
 サブリース契約には、「パススルー型サブリース」と「家賃保証型サブリース」の2種類があります。パススルー型は管理会社(サブリース会社)による家賃保証がないタイプのサブリースのことで、入居者が支払う家賃がそのままオーナーの収入になります。管理会社が1棟全体を賃貸し入居者に転貸する契約です。管理料は5%程度で、空室リスクや家賃滞納リスクはオーナーが負います。
 「家賃保証型サブリース」は一般的にサブリース契約と言われるもので、空室があっても管理会社(サブリース会社)によって一定の家賃が約束された契約のことです。入居率に関係なく満室時の想定賃料から一定の手数料を差し引いて支払われ、空室リスクを回避できると勘違いしてオーナーが加入します。
 実際にはサブリース会社の手数料相場は、約20~30%程度であり、オーナーは毎月入居者が振り込んだ約70~80%の家賃しか振り込まれない仕組みです。
「家賃保証型サブリース」の最大の問題は、サブリース会社から家賃の減額請求ができる点です。2003年(平成15年)10月最高裁は、サブリース契約であっても「借地借家法32条1項の賃料減額請求が可能である」という判決を下しています。
 司法の判断は21年前に決着しており、サブリース会社と争っても勝ち目は無く無駄な努力になります。不動産業者に相談しても、弁護士に相談しても時間とお金が無駄になるだけです。