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愛知相続サブリース・老朽アパート研究所
2024/12/13 11:31
1.老朽アパートは多額の修繕費がかかる
アパートやマンションなどの集合住宅では、修繕を「12年周期」で考えることが通常です。実際に、国土交通省が公表している長期修繕計画のガイドラインでは、1回目12年目、2回目25年目に大規模修繕工事をしています。
大規模修繕では屋根の防水葺き替え、塗装・補修、給排水管の取り換え、給湯器の全戸交換、階段・廊下の塗装と防水等様々な個所の修繕工事を行うための多額の資金(数百万円から数千万円)を準備しなければなりません。
建物が老朽化すると、外壁が色あせたり、放置しておくと外壁がはがれて落下したり、雨がしみ込んでくるなどのトラブルがあります。屋根も定期的なメンテナンスをしないと雨漏りの原因になります。建物の内部では上下水道管やガス配管の劣化などの問題も引き起こします。
古い建物では水道管に鉛菅を使用していることがあり、鉛菅が原因で人体に健康被害を引き起こすと、建物修繕義務違反に基づき損害賠償を請求される可能性があります。(民法606条賃貸人の修繕義務)
また、外壁などが通行人や他人の自動車を傷つけたり、ブロック塀が劣化して通行人や近隣住民に被害を与えた場合、損害賠償責任が問われる可能性があります。(民法717条所有者の工作物責任)
オーナーが「お金がないから」といって老朽アパートを放置すると、一層修繕リスクは高くなります。入居者(賃借人)からの修繕要求をオーナーが対応せず放置した場合、賃料の減額をされる可能性が高くなります。2020年4月の民法改正でオーナーが修繕義務を怠ると賃料は当然に減額されることになりました。(改正民法611条賃料減額ガイドライン)
例えば、公益財団法人日本賃貸住宅管理協会が作成した「貸室・設備等の不具合による賃料減額ガイドライン」(2020年3月)によると、「風呂が使えない場合、月額家賃の10%減額できる。免責期間3日」とされています。さらに、「電気が使えない場合、月額家賃40%減額」「水が使えない場合、月額家賃30%減額」などが必要になります。この民法改正により、サブリース会社は一層アパート・マンションの管理がやりやすくなりました。