どんな相続・遺言・不動産問題もお任せ
愛知相続サブリース・老朽アパート研究所
2024/12/13 11:32
4.老朽アパートは空室増加と家賃収入が下落する
老朽アパートは入居者から見れば、魅力がありません、多くの入居者が賃貸住宅を選ぶ基準は立地条件や家賃だけではなく、新しく綺麗な建物に住むことを希望しているため、老朽アパートは市場の競争に負けるため敬遠されます。
大規模なリフォームやリノベーションを実施すれば、多額の工事費用の負担やリフォームローンを相続人(子供)が引き継ぐこともあります。また、空室を埋めるための対策として、家賃を周辺相場よりも大幅に下げなければならないことも考えられます。その結果、収益が低下しアパート経営を圧迫することにつながります。
このように老朽アパートは空室が増え家賃収入が低下し、支出であるリフォームやリノベーション費用が増加するようになるため、収支は次第に悪化していきます。アパート経営の収入源は、家賃だけであるので、家賃を上げることがアパート経営の課題になります。。
家賃が1年間でどれくらい下がるのかというと、一般的には約1%とされています。平成30年7月の総務省統計局物価統計室「借家家賃の経年変化についてー消費者物価指数における家賃の品質調査に関する調査研究―」によると、平均で年0.8%程度の低下がみられるとのことです。
これが30年間続くと、約24%~30%程度家賃を下げることになります。新築時の家賃10万円が30年後には7万円になる計算です。ところが、周辺に新しい賃貸物件ができ競争となった場合には、新築物件に入居者が流れていくので、対抗策として付加価値の高い設備などを導入するリノベーションも必要になります。
老朽アパートで家賃を下げた場合、アパートローンの残債、リフォームローン、固定資産税などの税金、管理会社や火災保険などの経費、修繕費用などを支払うことができるのかを検討する必要があります。
コロナ禍後の日本はインフレになり、インフレ率2022年2.5%、2023年3.27%であるため、本来家賃は上げなければなりません。しかし、老朽アパートで家賃を下げると、インフレ率をカバーできず、アパート経営の大失敗の原因につながります。