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愛知相続サブリース・老朽アパート研究所
2024/12/13 11:33
(2)旧耐震アパート・マンションの耐震義務
さらに、オーナーが負うべき義務や責任には、「耐震診断の義務」があります。昭和56年(1981年)の新耐震基準をもとに、平成7年(1995年)12月25日に建築物の耐震改修の促進に関する法律(耐震改修促進法)が施行され、昭和56年以前の旧耐震基準に基づいて建てられた建築物については、「耐震診断の義務」があります。1981年5月31日以前に建築されたアパート・マンションは新耐震基準に適合していない可能性があるので、耐震診断を受ける必要があります。
建築物の耐震基準は、建築基準法で定められています。現行の新耐震基準は1981年6月1日に施行され昭和56年(1981年)5月31日以前の建物は「旧耐震基準」の構造になります。阪神・淡路大震災(1995年1月17日)、東日本大震災(2011年3月11日)、熊本地震(2016年4月14日)で倒壊した建物は、ほとんど「旧耐震基準」の古家や老朽アパート・マンションなどでした。
「旧耐震基準」の建物は、倒壊リスクが高く、耐火構造になっていないため火災リスクが高いのが特徴です。万が一の責任は「所有者リスク」としてオーナーが負います。一般的に「旧耐震基準」の建物は次のような問題点があります。
(1)老朽化した賃貸物件の売却が困難であること
(2)老朽アパートの立退き交渉費用を金融機関が一切融資しないこと
(3)老朽アパートの立退き交渉は法律で不動産業者に依頼できないこと
(4)老朽アパートの入居者を退去させ建物を解体して建替える場合には多額の費用と時間がかかること
このような理由からオーナーは、不動産活用としての出口戦略を立案することが難しいということを理解する必要があります。
地震調査研究推進本部(文部科学省研究開発局地震・防災研究課)によると、今後30年以内に南関東でマグニチュード7の大規模地震が発生する確率は70%、また、南海地震の発生確率は、今後30年以内で70~80%にも及んでいます。地震が起こる前に、老朽アパート・マンション・貸家などの解決策の相談が必要です。
老朽アパートはどんなものでも、一瞬で深刻な事態を招き取り返しがつかない可能性があります。このような耐震性の問題から、老朽アパートは入居者も募集しにくい原因となっています。また、誰も相続したくない相続財産です。