2024/09/13 11:03
一口に「バリアフリー」といっても障がいの部位や程度は人によってさまざまです。そのため、建物に求められる機能も使われる方によって変わってきます。今回はそんなバリアフリー住宅の設計ポイントの一部をご紹介します。
行き止まりのないプラン
バリアフリー住宅を設計する場合に重要なポイントは「動線」です。部屋同士をつなげ、行き止まりをつくらないプランです。
例えば、LDK→水まわり→パントリーと、回遊できるスムーズな動線は、家族間で通路を譲りあうことがなく、車いすはもちろん、家事を楽にする時短動線となります。また動線にそって収納を設ければ、車いすで行くことができない部屋や収納をなくし、ご家族に気を遣わせることなく生活できる設計にすることができます。
車いす専用の空間
ご家族が使用するトイレとは別で、 “車いす専用”としてトイレを設けます。このトイレには個室内に必要な機能をすべて入れることでご家族の手を借りることもなくなり、時間を気にせず使うことができます。また洗面台の下をオープンにし、車いすが入り込める高さに設定。便器や背もたれは、実際に現場で仮設置し使いやすい位置になるよう調整します。
外とつながる空間
車いすでの生活は、家の中で過ごす時間が多くなり、一人で自由に外出することが難しいケースもあります。そのため、障がい者にとって外とのつながりは健常者以上に重要です。
LDKとつながる広々としたデッキテラスを設置すれば、気軽に外の風にあたったり日光浴などもでき、ご家族でBBQも楽しめる心地よい場所となるでしょう。
バリアフリーの家って?
今回ご紹介した設計のポイントに“バリアフリーらしさ”を感じていただけましたでしょうか?
ライフスタイルはご家族によりさまざまです。ご要望やイメージもそれぞれ異なります。「バリアフリー」であるということは、それらと同列の条件でありご要望のひとつだと考えます。バリアフリーにより、意匠性が失われるという要因にはならないのです。