2022/06/03 00:00
日本国内でも発売が本格化するEV自動車。カーボンニュートラル、脱炭素社会実現に向けてEV自動車の普及はとても重要であり、将来の世代の人たちが安心して暮らせ、そして持続可能な経済社会をつくるために全世界が取り組んでいます。日本でもEV自動車購入に対し最大145万円まで補助金を充実させ、EV自動車の普及を後押ししています。これからの時代誰もがEV自動車購入は選択肢の一つに入ってくると思われますがそこで問題となるのは充電設備です。充電スタンドを利用するのが不便な方には自宅に充電設備を設置することが必要になります。戸建ての住宅なら自分の自由に設置できるのですが、マンションに住んでいる人にはそうは簡単にいかないのが現状です。
マンションでの充電設備設置の課題とは
(1) 現在自動車を使用せず駐車場も保有していない人、もしくはEV自動車を保有していない人への設置説明が難しい
(2) 設置費用、毎月のメンテナンス料はどこから払う
(3) 電気使用料金の課金方法
(4) 組合員以外の者への利用(管理組合への収益と課税の問題)
(5) 設置場所や台数、急速か普通充電かなど
上記のように様々な課題があり、管理組合の同意は簡単には取り付けることが難しいのが現状のようです。管理組合の総会決議の中でも「特別決議」にあたると考えられ、区分所有者の4分の3の同意を必要としていますのでそのハードルは高いと言わざるを得ません。
最近建てられている新築マンションではEV利用者の増加を見越して最初から設置している物件も出てきています。国もEV充電設備の機器や工事に対し補助金も交付され、また、自治体によって独自の補助制度を設けているところもあります。国は2030年までに充電設備を5倍に増やす目標を掲げていますが、問題点も多く山積しています。これらの課題を管理組合が十分検討し、組合員にしっかりした説明のうえで進めていかれることをお奨めします。