2022/08/17 00:00
#老朽化したマンションの問題点
国がマンション所有者不明分を「管理組合決議から除外する案」を検討しているという新聞記事が掲載されていました。現状の課題における核心をついていた事からショックを受けている人もいます。現在、築年数が50年近くになる投資型マンションやリゾートマンションなどでは、新築時の所有者の移転が大きく進んでいる傾向にあります。この場合、登記上の所有者が既に亡くなっていても相続登記されずに、そのまま放置されているケースも少なくありません。
また地方での所有者不明の土地と似たような状況がマンションでも起きており、総会の案内を出しても宛所が存在していないという事で返送されるケースも珍しくありません。この状況を放置し続けると、はじめに管理費等の滞納が発生します。これは将来、大規模な修繕工事をする際には大きなネックとなり、管理組合運営ができなくなる可能性があります。
#決議の計算方法を見直す動きがある
また別の大きな問題としては、建物の形状を変えるような修繕工事には4分の3以上の賛成が必要であり、また建替え決議や敷地売却決議に関しては5分の4以上の賛成が必要になるという事です。この場合の問題点として挙げられるのがこれを計算する際の分母ですが、分母にはもちろん所有者不明分も含まれます。ただ、分子には所有者不明分を含める事はできないため、この決議を得るのはより難しくなる事が予想されています。現在、国では分母に所有者不明分を含まない事が検討されているとの見方があります。記事の内容によると、除外するには裁判所が関与する事も必要と結論づけられています。
今後の国の動きが注目される
分母から所有者不明分を除外する事は重要な判断となるため、裁判所の関与も必要という意見もありますが、何らかの対策を早めに講じる必要は当然あると言えます。場合によっては老朽化したマンションに関する問題の中では、最も重要な課題なのかもしれません。今後、国がどのように動くかという事が一つの焦点になると言えるでしょう。