特集
2020/08/20
あなたは人とのコミュニケーションが得意ですか? それとも苦手ですか? 特に苦手意識をお持ちでない方でも、初対面の人と話したり、緊張する場面で会話したりするのはなかなか難しいものです。そこで今回は、司会者やインタビュアーとして長年のキャリアを持つ笑顔クリエイター®の丹羽てる美さんに、プロが考えるコミュニケーションの秘訣についてお聞きしました。プロが大切にするポイントを押さえて、初対面の人でもよりスムーズに会話ができるスキルを身につけてみてください。
「笑顔&睡眠のチカラ」で健康経営!
丹羽 てる美
コミュニケーションが苦手という方はたくさんいらっしゃると思います。私自身、この仕事を始めて長い年数になりますが、いまだに緊張する場面はあります。そもそもすごい人見知りですし、司会者として経験がない場所に行った時、世代が違う人たちが多かったりすると本当にドキドキします。
そんな私が笑顔クリエイター®として大事にしているのは、自然な笑顔で仕事をすることです。常に笑顔を作り続けるわけではなく、会話の端々で笑顔を見せるように心掛けています。やはりコミュニケーションをアップさせるうえで「笑顔」はとても大事です。
また、司会業やインタビュアーをする中で大切だと感じるのは、「相手の話を聞くこと」です。自分が話したいのであれば、まずは聞く姿勢を持つこと。そしてさらに一歩進んで「相手の気持ちに寄り添うこと」ができれば、きっと円滑なコミュニケーションができるはずです。
自然な笑顔を作るのが苦手という方でも、トレーニングによって表情をうまく作れるようになります。ぜひ試してみて欲しいのが「顔の体操」です。毎日のお風呂上り、化粧水などで保湿した後に、顔の筋肉を意識しながら「あいうえお」と口を大きく動かしてみてください。そうすると自然に笑顔が作れるようになります。言葉にあった口の大きさを意識することによって、自分の感情が相手に伝わり易くなります。
この「あいうえお」のトレーニングのポイントは、以下の点に気を付けることです。
・「あ」…大きく口を開く
・「い」…思いっきり横にひく
・「う」…唇をとがらせて前に突き出す
・「え」…びっくりした感じでえーっと言ってみる
・「お」…驚く感じにする
笑顔の出し方によって、第一印象は大きく変わります。ずっと意味もなく笑っているのはむしろ逆効果。挨拶の直後に笑顔を出すのがポイントです。また、話を聞いている時に笑顔を出すと、相手が話しやすい雰囲気を作ることができるでしょう。
話し方を考える時には、どうしても「自分が話すこと」に意識が向きがちですが、重要なのはむしろ「相手の話を聞くこと」です。
私はインタビュアーの仕事もしていますが、その時には、台本のまま順番通りに聞くのではなく、流れに任せて聞いたほうが良い時があります。ちょっとした心遣いで会話の流れもスムーズになり、インタビューされる側も話しやすいと感じています。相手の話をちゃんと聞くことで、その人に合った答えを返すことができますし、それが相手の話しやすさにつながり、自然とうまく会話が成立します。
コーディネーターの立場でお仕事をする際には、パネリストの方のお話をきちんと聞いているとうまく会話ができます。相手の話を聞くことで、自分の知識の中から会話のネタが出てきます。また、相手の話を聞くことに集中していれば、余計なことを考えることがないため緊張しないというメリットもあります。
これは「相手の話を聞くこと」にもつながりますが、コミュニケーションを取る時には「相手の気持ちに寄り添うこと」がとても大事です。
相手と親しくなってからのコミュニケーションにおいては、上手な距離の取り方に気付けるかどうかで大きな差が出てきます。親しくなればなるほど、つい自分のことばかり話してしまいがちですが、親しいからこそ相手の話を聞くことから始めてみる。そうすれば、よりうまく会話することができるでしょう。
人というのは誰しも、日によって感情や気持ちが違ってくるものです。だからこそ、その日の相手の気持ちを推し量りながら、それに合わせて寄り添いながら話をすると、より一層会話が盛り上がります。親しい関係だからこそ、相手に寄り添う気持ちを思い出す。こうした姿勢で会話することが、より良いコミュニケーションを生み出してくれると思います。