2023/04/14 00:00
バリアフリー住宅の実例、第1回目の依頼内容は「実家の敷地内に自宅を新たに建築したい」です。依頼者は40代のご夫婦で、ご主人が車イスのユーザーでした。設計する際には、親世帯と近い距離に暮らしている「敷地内同居」であるという点に考慮しました。敷地面積は100坪と広いため、実家の南側に平屋を建築することにしました。北側に滞在時間の少ない玄関などを配置したのは、プライバシー面に配慮したからです。滞在時間の長い南側にリビングや寝室を配置したので、過干渉にならず快適に暮らすことが出来ます。
ご主人が車イスユーザーであることを考慮して、寝室を中心に回遊動線を作ることにしました。行き止まりがない作りのため、移動がスムーズになります。生活動作を連続して行える点も、この設計のポイントです。またこの設計なら、家で過ごす時間が増えてもストレスを感じにくいでしょう。勾配天井や高窓などが開放感を生み出し、住む人に圧迫感を与えないのです。ウッドデッキにも簡単に移動できるので、体調の悪い日には緑を見てリラックス可能です。
リビングと寝室は介護負担を軽減するために隣接させました。これでながら介護が可能になります。ダイニングは家事効率を上げるためにカウンターとテーブルを1つにしました。この造りだと時短効果があるだけでなく、リビングも広くなります。ランドリースペースも3方向から出入りできるので、洗濯作業も効率化可能です。駐車スペースも玄関まで快適に移動できるよう、勾配のあるスロープを設置しています。駐車場まで手すりを完備することで、単独で外出可能です。車イスを乗り換えるために、玄関脇に乗り換えスペースを設けました。
まとめ
ご依頼内容は「実家の敷地内に自宅を新たに建設したい」ということでした。ご主人が車イスユーザーということも考慮して、設計を施しました。このご依頼者は十分な土地を持っているので、その点をうまく利用して設計しました。依頼者のご夫婦からは、「どの部屋も温度が均一で冬場でも快適に暮らせます。要望を先取りして提案してくれるので助かりました」という喜びの声が届きました。