2023/06/30 00:00
生活の再建を目指して
車いすユーザーのMさんは、ご両親と3人で2階プラス屋根裏収納のあるバリアフリー住宅に暮らしています。住宅の1階には、動線のスムーズさに配慮したMさんの自室があり、2階には家族団らんの時間を過ごすリビングが配置されています。そして上下階をホームエレベーターで結ぶことで、Mさんが1人で住宅内を自在に移動することができ、日常生活も自宅での仕事も円滑にできる環境が叶いました。
大学生のときの交通事故によって、突然、車いす生活となったMさん。当時住んでいたマンションは、車いすユーザーに配慮された環境とは言えませんでした。そこでご両親は、Mさんが退院するまでにバリアフリー住宅を用意することを決意します。設計と施工を依頼した阿部建設は、設計士が車いすユーザーということもあり、安心して家づくりが任せられたそうです。
阿部建設のサポートは、資金や補償に関する情報提供から、交通事故を専門に扱う弁護士の紹介まで、多岐にわたりました。ご両親が見つけた土地も確認してもらい、そこからスムーズな家づくりが始まったとご両親は話します。
自立のサポートと家族のゆとり
Mさんの自立した生活の実現が、家づくりで最も重視された点でした。そのため、住まいには、Mさんが機能訓練に励んだ国立障害者リハビリテーションセンターの施設で採用されている設備が特注で再現されています。Mさんが日常生活を1人で送ることで、ご本人の自立とご両親の日常の両立を実現しました。
また、木のやさしさに包まれた、明るく開放的なリビングはご家族お気に入りの空間です。引き戸の床にレールがなく、車いすの移動に配慮されているのはもちろん、キッチンはお母様だけでなく、車いすでも使用可能です。
変わらない日常とかけがえのない暮らし
今では自ら運転して、外出もこなすMさん。インナーガレージの車から、自室やリビングへのアクセスがスムーズな住まいが、Mさんの活動の幅を広げます。家族と共に笑い、1人の時間にも没頭できるオーダーメイドのバリアフリー住宅が、食事をして、仕事をして、のんびりする、そんなご家族の穏やかな日常に彩りを添えます。