2023/07/14 10:08
突然の交通事故により、車いす生活を送ることを余儀なくされたUさん。しかし、今では自ら自動車通勤をし、休日は趣味や友人との外出を楽しむ生活を行っています。Uさんがアクティブに過ごせている理由の一つは、そのライフスタイルに合わせてリフォームが行われた、バリアフリーの住まいにあります。
バリアフリーの住まいへ向けて
事故にあったUさんと出会ったのは、入院先の作業療法士からの紹介です。同じく車いす生活をおくる阿部からアドバイスや提案を行い、自宅をバリアフリー化するリフォームを行うことになりました。Uさんのプライベートな時間や自立をさまたげないと同時に、家族にとっても快適な住まいづくりを目指すことになったのです。
自室というプライベートな空間
これまでUさんの自室は2階にありました。しかし、車いすでの生活を考慮して、1階に自室を作る計画が持ち上がります。ところが、構造上の問題と共に、これまで家族の団らんの場であったリビングが小さくなってしまうことが判明します。Uさんは「ここで生活するのは自分だけでない。家族への影響はなるべく少なくしたい」と希望し、また、Uさんの母親は「家族が食事などをする場所の隣に自室があると、息子がリラックスできず、友人なども呼びづらくなるのではないか」という懸念を示しました。
このような希望を受けて、Uさんの自室はリフォーム前と変えず2階にする案へ切り替えられました。問題を解消するために導入されたのは、ホームエレベーターです。元の玄関を車いす専用の玄関に変更し、ホームエレベーターを設置。家族が使う玄関は作業場になっていたスペースを造り変えました。こうしてUさんは2階まで移動ができるようになり、家族に気兼ねなくプライベートな時間を楽しむことができています。
※バリアフリー住宅の実例「自立をサポートするU様邸」 後編に続く