2023/07/31 10:04
外出が辛くならない工夫
他にも、Uさんが自立して生活できるような工夫は随所に行われています。Uさんは車いすバスケットボール「ツインバスケ」のチームに所属し、週2回の練習や遠征試合などにも積極的に参加しており、通勤なども含めて、日々自動車での移動が欠かせません。その一方、車いすから運転席に乗り移り、車いすを車内にしまうといった手間がかかるので、雨の日は作業中にぬれてしまいます。「車いすだから外出が億劫になる」という問題を防ぐため、まず雨対策として、大きなカーポートを取り付けました。休日も通勤時も、天候に左右されず快適に乗り継げます。
安心して一人で使える工夫
日常的に使う自室やトイレ、浴室などでは安心して使える空間でなければいけません。そのために、車いすでも不自由なく移動できるスペースの確保、Uさんにとって使いやすい手すりの設置などが行われました。車いす専用玄関の鍵は、事故の後遺症が残っていた当時でも、問題なく一人で施錠できるような位置に設置されています。
個に合わせた「自立を促すバリアフリー化」
これらのバリアフリー化は、Uさんの障がいの状態を考慮して行われました。例えばリフォーム当初、Uさんは一人で入浴することに恐怖を覚えており、大掛かりなリフトの設置を検討していました。しかし、阿部建設はUさんの身体能力などを踏まえて、大掛かりなリフトではなく、シャワーの位置変更と手すりとボードの設置のみを提案しました。その結果、Uさんは、自宅はもちろん宿泊先のホテルなどでも、一人で入浴することができる状態にまでステップアップできました。事故からの時間経過によって変化する心身にまで配慮した対応が、自立を大きく促したと言えるでしょう。
ライフスタイルや身体の状態、ご家族との距離感など、細かな部分まで突き詰め考えられたバリアフリー化によって、Uさんとご家族の“自立した生活”と“安心・快適な住空間”が実現しました。