2024/06/14 00:00
みなさん、家づくりの設計はどんなふうに進んでいくと思いますか?
自分たちが伝えた要望やイメージが図面に落とし込まれ、平面から立体になっていく…。そんな流れが想像できると思います。
私自身の設計も大まかには同じですが、人によってやり方や流れは若干変わります。そしてそれと呼応するかたちで、設計の「癖」があることも知っておいてください。
実はこの「癖」というのがとてもやっかい。
お客様のご要望を満たした設計であっても、その裏には担当者の経験に基づく考えや得意な設計手法、嗜好が多少なりとも出てきます。
建築家においてはそれが大きな価値を持ちます。自分の価値観と合った設計やデザインができあがる大前提となるからです。しかし、一担当者、一建築会社において自分たちの価値観と完全に合致する担当者と出合えるケースはそう多くはないと思います。(スタッフ一人ひとりがどんな設計をしているのか、事前に把握することはなかなか難しいですよね。)
お客様のご要望をとことん追求し「癖」に左右されない設計であることが大切です。それを実現するために取り入れているのが「カンファレンス」です。
カンファレンスとは、一つの建築プロジェクトに対して複数の設計スタッフが集まり、それぞれが独自のアイデアや視点からプランを考え意見交換をすることです。一組のお客様に対して多様な視点を交えることで最良のプランを導き出し、お客様のご要望や意図を正確に反映することを目的としています。
カンファレンスという言葉の語源は、もともと医師が行う“カンファレンス”から来ています。医師のカンファレンスでは、症例や治療法について専門家が集まり、意見交換し、最適な治療法を決定するというものです。
カンファレンスには手間と時間がかかります。しかし、なぜこのような設計手法を取っているのか?それはやはりメリットの方がはるかに大きいからです。
設計に携わっているスタッフは、それぞれ数人ほどのチームを組んで、お客様の家づくりに向き合っています。一人ひとりが持っている個性を発揮でき、アイデアを活かすにはどうしたらいいか?その答えがこのカンファレンスです。
カンファレンスを活用することにより、全員が意見を出し合うことで「良い家を建てさせていただいている」と自信を持って言えるようになっています。