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阿部 一雄

車いす建築士によるバリアフリー提案!

阿部 一雄 あべ かずお

阿部建設株式会社

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事例・コラム

2024/08/30 09:47

とある学生さんとのお話

今から2年前、埼玉県の高校に通うSさんから Instagramに「バリアフリー建築」についてという1通のメッセージをいただきました。
Sさんのお母様は福祉関係のお仕事をされていて、Sさん自身も自然とバリアフリーや福祉に関心を持ってはいましたが、お母様からお仕事の話を聞くなかで、「障がいをもった方はかわいそう」「介護する方は大変そう」と無意識のうちに他人事と捉えフィルターをかけていたそうです。
しかし、Sさんのお母様はただ単に「大変そう」という感情を持つのではなく「困っている人に自分は何ができるのか」を親身になって考えており、そんなお母様の姿を見てSさん自身も将来困っている人に寄り添い、一緒に考えられる人になれたらと思ったそうです。
また「パーフェクトワールド」を見たことで建築にも興味を持ち、将来バリアフリーに強い建築士になりたいと思うようになったそうです。
今回、パーフェクトワールドのモデルになった私から、バリアフリー建築に詳しい先生やバリアフリー建築を学ぶにあたっての話しを聞きたいとのことでした。
現在、建築と福祉の両方を学べる大学は愛知県にある日本福祉大学しかありません。しかし、専門の学科はなくとも全国には、バリアフリー建築や介護福祉に詳しい先生、研究室があるので、少し広い目で見て大学を探されてみてはいかがでしょうか?そんなアドバイスを返信しました。
その9ヶ月後に「自分の夢に近づくことができるのではないかと思える大学を見つけることができました!」とメッセージをいただきました。
昨年10月には直接お会いすることができ、モデルハウスも見学してもらいたくさんの話しをしました。
そして後日、Sさんから大学合格の報告をいただきました。
お会いした時に話した内容や資料が参考になったそうです。しかし私はほんの少し自分のことや業界のことをお伝えしただけ。Sさんの強い想いが伝わり成果となって現れたことが、とても嬉しくホッとしました。

バリアフリー建築に興味がある方は、まだまだ少ないかもしれません。しかし、建築士が福祉にもっと関わっていけば社会は大きく変わります。
今回勇気をもって連絡をくれたSさんのような学生がいることは大変心強く、またバリアフリー建築においてひとつの希望でもあります。
今度は仕事仲間としてSさんに会えることを楽しみにしています。