生前贈与と公正証書遺言について
こんにちは、税理士の一川明弘です。
今回いただきました質問について、相続税法上の考え方と民法上(特別受益権)の考え方がありますが、税理士という立場上相続税法上の回答のみさせていただきます。民法上の回答については別途弁護士にご質問いただければ幸いです。
生前贈与についてですが、相続開始前3年以内の贈与については相続税法上、相続財産に加算することとなっています。これは、相続開始直前の財産の移動による相続税の節税を防止することが目的です。相続開始前3年以内の贈与とは、仮に2020年(令和2年)2月1日に相続が開始した場合、その3年前である2017年(平成29年)2月1日以降の贈与を指します。
ただし、この相続財産に加算する制度は相続人に対する贈与のみ加算されます。そのため、相続人でない息子の妻や孫に相続開始前3年以内に贈与しても、相続財産への加算はされません。そのため、相続直前に財産を移動する場合は、相続人以外の方に移動するのみ相続対策の1つとされています。
公正証書遺言ですが、ご自身が自筆で作成する自筆証書遺言とは異なり、公証人を介して作成することから、その効力が無効になる可能性は極めて低いと考えられています。ただし、作成時に、遺言作成者が認知症や精神障害、家族に脅され自分の本位でない遺言を作成した場合、遺言が無効となった裁判例があります。公証人が作成時に遺言作成者と面談し、意思能力の有無を確認しますが、当日調子がよかっただけであり後日その日の意思能力をめぐって問題となるケースも少なからずあります。
ただし、その部分を除いては公正証書遺言は手堅い遺言であることは間違いないかと思われます。
2020/02/03 14:02
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